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最近多くなってきましたが、客席の上部にサスペンション機構を持つことが多くなりました。客席サスペンションライトですとか、プロセニアムサスペンションライトとかの名称にして、客席上部の、舞台に近い部分にサスペンションバトンが降りてくるという機構が増えてきました。

フォローピンを設置してありますフォロースポット室というのがあります。以上が大体、劇場、ホールの照明の機構だと思います。それに対して、さまざまな形で仮設をしたり、追加をしたりして、我々は仕事をしています。

照明の安全管理というお話ですが、危険な状態は何か?ということですが、一つには、スポットが光のエネルギーを生み出すために発する熱ですね。発熱、発火です。スポットそのものが発火するというという例はなかなか有りませんがスポットが何かを巻き込んで発火する。様々な事故例を聞いてみますと袖幕がスポットを巻き込んで知らない間に発火する、燃えている、割幕、文字幕が燃えている。ローホリが袖幕を巻き込んで焦がしている、という発熱、発火という事故があります。私が仕事についた27年前はコードがキャプタイヤーではありませんでした。綿で被覆されたコードですから何かのショートで火を出した時一気に燃えました。コードそのものが燃えるという事がありました。

一番大きな要素として、発熱、発火をどう危機管理するか?という問題があります。

その次に、転倒、落下です。皆さんが無意識に座っておられますが、我々がもし管理をしているといやだなと思うことは客席の真上にサスペンションがあります。でこのスポットの電球が割れたらどうなるか?普通に吊ってある分には問題ありませんが、大きな地震が来たらどうなるか?という事を考えた場合に、落下、転倒これは当然起こり得るわけで、その時は、お客さんもそうですが、出演者や、我々の問題でもあるわけです。

ショート、短絡、漏電という問題があります。何年か前になりますが、PL法が施行実施されました、製造者責任法という形で様々なスポットに製造責任が明記されています。

多分、最近の新しい機材を購入されたホールでは、スポットにスポットが照射する方向がマークでうってある機材を見かけた事と思います。必ずこの機材はこの様に使って下さい、という事が、スポット、マニュアルに書いてあります。我々もそうですが、多分、管理される皆さんがこれ以外にスポット使いたい場合どうするか?これ、使用者の責任になってくる訳です。PL法で製造者はこのように使うように出来ていますと明記してますから、逆にそれ以外にひっくり返して使う場合、その責任は使用者に掛かってきますし、管理者にもその責任が入ってきます。この辺のことは今後、我々も含めてですが、勉強を重ねていかなくてはいけないし、メーカーも含めてその辺の研究、実際にこうしか使えないと明記されているものを逆に使う場合が出てくる、それは安全かどうかということを検討していかなくてはいけないだろうと思います。

 

 

 

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