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このソフトは2年程前に出されているソフトなんですが、我々の日本の中の技術以外のかなりの部分のものがこの様な展開をみせていてます。今日ご参加しておられる会館、劇場の照明設備に比べまして、私がバレエ、オペラ、モダンダンス等のデザイナーとして使う為には、多分、皆さんのお持ちの調光器よりも、このパソコンの中に入っている調光ソフトのほうが優れています。リストを見せていただきますと、このソフトに匹敵するホールは多分、2館ぐらいだと思います。これは、調光するという概念が違い、調光するシステムが違いますのでその様なことが起こっています。そのようなお話をしたいと思います。

最初に、初歩的なことですが、光の性質について、お話します。照明さん、暗転にして下さい。今、まったくの暗転状態です。非常誘導灯、袖の明かりが漏れていますのでわずかに見えますが、話している私の姿は見えないだろうと思います。通常この様な中でわれわれは光を出す、追加することにより、何かを見せている。では、舞台に光を入れて下さい。明るくなりました、私も、さまざまな物が見えて来ました。光は見えているでしょうか?私にきている光はシーリング、フロント、サスペンションからです、光源は見えると思います。光を発している物は見えていますが、光そのものは見えているでしょうか?実は、光そのものを我々知覚することが出来ません。光は何かに当たって初めて何かを見ることが出来、光線そのものを見ることが出来ません。最近のロックコンサートなどでは光のスジ、ビームを見せるという演出をとっていますが、あれは、スモークを焚くことによって、空中に微粒子を拡散させる。つまり空中の微粒子が見えてるという演出方法です。光そのものはまったく知覚することが出来ない。光は何かを照らすことによって見えるという性質が基本的にあります。

光の色彩についてお話します。光の三原色と色の三原色をご存知でしようか?小学校の理科の授業の実験などに出てくる話ですが、光の三原色はブルーとグリーンとレッドです。色の三原色は赤青黄です。光のこの三つの原色がさまざまな効果をもたらします。この光と色の三原色の違いですが、光の三原色は加法混色と言われています。加わって混ざっていく。色の三原色は滅法混色、減っていくと言われます。つまり、光はこの三つの原色を混ぜ合わせていきますと白色に近づく。色の三原色を混ぜていくと黒になる、減っていくと言う性質があります。皆さん方、劇場、ホールで式典などの照明をなさっている時にローホリなどを使われることが有ると思いますが、では、光の三原色の実験をしてみます。

舞台を暗転にして下さい。ローホリのブルーを下さい。大体、全国の劇場のローホリのブルーの色は72が基本です。72番の色が入っています。次にグリーンのみ下さい。この59番の色は、東京舞台照明という会社が出している日本国内の仕様なんですが、この色も大体どこのホールでも基本的に使用しています。次に赤です。22番の赤です。20番台の赤だけでも9色位の微妙な色彩の色が有ります。たぶん皆さん方のホールでもこの22番が使われていると思います。

では、この三原色を一緒にフルゲイジで上げて下さい。これが原理で言うブルー、グリーン、レッドを混ぜ合わせると白になるという状態です。これは非常に条件が要ります。

 

 

 

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