ワイヤーが細ってきた。接点の色がおかしくなってきた。交換の時期になった。等のことで予算要望をしてもらっている。
メーカーだけのメンテナンスでいいわけではない。会館が日常的に点検することが理想的です。引き綱が重く感じたり、電動装置の音が変だと感じたり、停止位置がずれる、など違ったことが起きた時、メーカーに連絡する。
特に、ワイヤーロープに関しては、滑車から外れていたり、ワイヤーにロープが引っかかっていたりして、事故につながる。後片付けがきちんとしていないために、チェーンがワイヤーにからまり、照明を吊っていたバトンが落下する事故がテレビ関係で起きたことがある。業者側の点検と共に、施設側の見回りが事故を未然に防げる。
鍛帳のメンテナンスが複雑。納品で吊って、どこが責任を持つかがはっきりしない。吊ったのはメーカーではない。鍛帳の重量に耐える強度か。結びのほつれから、落下にいたる。その責任は緞帳を収めたのはメーカーではないので、メーカーには責任はないはず。そういった意味で、鍛帳に関する事故の責任はグレイゾーン。金属のバンドで緞帳を挟み込んでしまう。など、いろいろな形で安全をはかる必要があろう。納めた商品でないものに手を加えることで、ますます、責任の所在がはっきりしなくなる。各ホールでは鍛帳の発注、納品などの経緯を知っておくことが必要。
3 ワイヤーロープについて
転載資料参照(東京製綱技術資料より)
基本的に消耗品。使わなくても、引っ張られて弱くなる。直径の減少率が7〜10%で取り替える目安。切れる確立が高くなる。ねじれてキンクした場合、すぐに交換することが重要になってくる。看板を吊る時もワイヤーの損傷の程度を確認する。
端末の処理がきちんとできていないと、これも事故につながる。
4 幕地の事故について
資料参照
(日本照明家協会雑誌No.282―パーライトによる舞台幕の燃焼試験結果について)
防炎の効果はメーカーの話では2年間ぐらいだという。舞台では5〜7年で再処理しているだろう。防炎処理をしても燃えるという実験結果が出ている。
防炎処理で燃えにくいのであって、燃えないということではない。再防炎処理を繰り返すと生地が傷み、裂けやすくなる。舞台の幕地はその意味でも消耗品である。
照明家協会のビデオを見ていただくとして
5 どんな事故が起きたか
吊り物に関してはアンバランスによる事故例が非常に多く報告されている。
全国公文協「加盟施設の事故例と技術的対策調査」参照
・復旧作業時に発生した例。