2]電気設備学会と劇場演出空間技術協会とで出した「劇場等演出空間電気設備指針」をだした。民間指針の第2号でもある。
3]電気技術基準というものがある。解釈第196条に興行上の低圧行為というものが決められている。舞台、奈落、オケピット、映写室、その他、人、もしくは舞台道具がふれる場所に施設する低圧屋内配線、移動電線、電球線は300ボルト以下とすると決まっている。これによって、200ボルトが使われている現状だが、一部、東京文化会館、京都会館、新国立劇場は通産省の特認を得て、400ボルト系の動力を使用していたが、改正により特認はなくなってしまった。現実としては改修の期間もないため、見直しも現在検討中である。おそらく、年度内に答申が発表されることと思われる。舞台での感電死などを避けるために、使用しないという指導が役所の方針のようである。
(3) 舞台機構
吊りもの装置。一般的に動力として使われているものとして、手引き、電動、油圧
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手動カウンターウェート式の重りのアンバランスによる事故が圧倒的に多く、故障した綱元の修理依頼が多い。
電動式はトラクションシープによってバランスが保てるし、かなり改良されている。
電動巻き取り式バトン(14ぺージ)
ヨーロッパはこの方式が圧倒的に多い。(パリのオペラ座、ロンドンのクウェントガーデン)。ドイツなどの事情の説明。
トコの動力は、電動式が圧倒的。トコは落下事故で亡くなった方もある。落下を防止する手だては落下防止ネットが普及している。開口表示灯。挟まれ防止スイッチ。乗り場に安全バー。ブザーの使用。
2 メンテナンスの重要性
初期不良の時期のあとに安定期。やがて故障が増えてくる時期。消耗品であるということを認識する必要がある。
まず、ワイヤーロープ。次に、引き綱、滑車類。電動機のオイル、オイルシール。さらにスイッチ、接触部分などの劣化。
電器メーカーの発表では7年を目処に取り替えるべきというが、一般的には10〜15年は使えると考えている。
インバータユニットの使用。コンデンサーが内臓されて、この寿命が早いものは5年。交換ということになる。リチウム電池、UPSで使用している鉛電池も5年ぐらいで寿命。電動ファンは、当たり外れがあって1年ぐらいでベアリングが減ったりする。かなり早いサイクルで部品の交換が必要になってくる。早目早目の点検が重要。多額の部品の交換が問題。
幹線道路にそったホールでの出来事。空調設備にフィルターが入っていなかったため、制御盤室に幹線道路を走るトラックの埃、煤煙がユニットにこびりつき、軒並み、ユニットがパンクした。