3. 最近の調光装置
(1) 調光器
1]漏電感知機能付き調光器
JATET(劇場演出空間技術協会)と電気設備学会で「演出空間電気設備指針」というのを作った。感電防止と安全確保のため、舞台照明のユニットに関しては、各負荷回路前に漏電を感知して出力を抑圧する機能を持った半導体調光器を提案し、漏電感知機能付き調光器と名付けた。
2]インテリジェント調光器
漏電検知機能だけでなく、調光ユニットでのいろいろなエラー情報をフィードバックし、専用卓の画面上でモニターする機能を持ったものをインテリジェント調光器という。
主な機能として、漏電機能(漏電している箇所を短時間で特定できるメリットがある)、MCCBトリップ情報(過負荷や短絡があってブレーカーがとぶとその箇所がブラウン管にフィードバックする)、過負荷情報、無負荷警報(信号が入っても明かりがつかないなど負荷がかからない、電球が切れている状態を回路前に警報を発する)、調光器ユニット内温度異常警報(ユニットを構成する中が例えばセッティングした80度以上になって異常を発したとき)、出力異常表示(信号が行っても出力されない時)、直流電源異常(ユニットの直流電源のダウンをフィードバック)、この他にもいろいろ付いたユニットがある。
調光器本体の情報をフィードバックしてくる調光器が主流になりつつある。
(2) 調光操作卓(資料説明)
どういう目的で使われるホールかで調光卓を使い分ける。調光操作を行う調光卓はその劇場・ホールの公演内容や用途、運用と深く係わっており、多種多様の機種がある。
現在使用されている調光卓は、マニュアル操作卓(学校講堂や小規模ホール用に適当)、多段プリセット型メモリ卓(毎日異なった公演が実施される貸しホールや多目的ホールに必須)、デジタル調光卓(オペラ・演劇・ミュージカル等の公演に適当)、移動型メモリ卓(ロック・ライブコンサートに適当)に大別される。
いづれにしても施設の規模にもよるが、公演内容に併せて使用される機器である。
4. 最近の施工例(スライド)
最後に、世田谷パブリックシアター、新潟市民芸術文化会館、新神戸国際会館、花巻市文化会館、中野サンプラザ、・東京文化会館の施設設備の紹介をしたい。
最近施工したホールをスライドで紹介しましたが、新たなリニューアルとか近くに新しいホールができるといった場合は、参考にしていただければありがたいと思う。