リモコン器具に対応するためにその信号線、リモコン機材もBMXというアメリカの統一された信号の形態で動くものが多い。そちらの信号線を各照明基地、サスペンション、フロントサイド、シーリング、フロアなどそういう場所に配線をして置く。大体2〜4系統ぐらい引いているケースが多い。リモコンスポットの機種が違う、操作する卓が違うということになると同じ信号ラインを使うことが出来ない。初めから2系統から4系統引いておくと持ち込んできた器材を使用可能にするために何系統も必要になってくる。現在我々が設計していく中ではこういうリモコン配線が何十本という信号線が調光室に集まってくる。それをどうするかというといわゆるBMXなり信号線のパッチ板、これをそこに入れてどの卓でどのスポットになるか。例えばリモコン器材を動かす、そこでパッチをかけてやる。混在されたものとか、もしくは卓が幾つかに分かれているため、非常に融通が利くセットをすることによって使い方が広がる形の物で配線しているホールに関しては、パッチ板を用意して調光室もしくは舞台袖に舞台の中の信号線をパッチする物、そこからさらに調光室に持っていって調光して最終的にパッチする物、そういう考えでやっているホールが多い。やはり配線しておくことが必須かなと思う。
(3) 持込照明機器電源盤の設置
最近とくに増えてきた持ち込み器材に対応するために、電源盤を舞台袖とかギャラリーとかに設置している。そこの電気方式というのは大体舞台照明の電源は三相4線という電気方式のが多いが、これでは200Vが使えない。海外の器材とか200Vでなければならないランプが使われるようになってきているので、単相3線100/200V系の電源が必要になってくる。従って、ホール設備としても200V電源が必要な状況から、主電源とは別に持込照明機器電源設備として計画しておく必要があると思う。
2. 最近の照明機材
実際にスポットライトを使って見ていきたい。
(1) カッタースポット
照明機材においては、最近とみにカッタースポットで明かり作りをする演出が増えてきている。カッター的な明かりの種板を入れたり、色んな形にカットして明かりを出したり効果的に使う。最近は舞台の中での使い方以外に、前明かりでいわゆるフロントサイドライト、シーリングライトなど、こちらの方にもカッタースポットが大分入ってきている。
最近設計しているホール、演劇主体のホールでは、シーリングライトにしても半分がカッタースポット、半分を平凸レンズで構成するようなシーリングライトが増えてきている。フロントサイドライトにおいてもそういう形の設定が増えてきている。
※ライト明かりの実演〜カッタースポット(2種類)
バレーでは、平凸レンズを重ねていってべたっという前明かりをつくるようだが、演劇とかオペラの場合はカッターでエリアを切って舞台の中に放り込む方法が採られているようだ。カッタースポットの前明かりを使うようだ。(ライト機種別に説明)