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II 講議題 「最近の舞台照明設備」

講師 丸茂電機株式会社 設計課長 佐伯隆夫氏

講義 配布資料の他、スポットライト、スライド映写機を使用

 

【要旨】

私は施設の計画段階においての照明設備のプラン及び設計業務を行っている。

これから「最近の舞台照明設備」をテーマに話したいので、今後のホール改修等の際に何か参考にしていただければと思う。

内容としては、一番目に最近の負荷設備として具体的に設備されている内容について、二番目に最近の照明機材などで最近よくホールに設備されている照明機材について、三番目に最近の調光装置ということで調光機及び調光卓、最近の動向又は種類について、最後に最近私どもで施工したホール設備の施工例についてスライドを使ってまとめてみたい。

 

1. 最近の負荷設備

 

(1) 負荷回路の増加

最近の施設の照明設備を見ると、従来と比べて多くの負荷回路を使用するなど傾向が変わってきている。今後の施設設備を検討するに当たって参考にしてほしい。

最近は、舞台演出、照明演出の方法や仕込みとかで、極端に言えば一灯一回路の照明が多く、回路数を増やして設定するケースが多くなってきている。また、最近は専門家(舞台照明等のコンサルタント)が設計の段階から入ってきて事細かな演出が出来るようにしているためか、回路数の多い設備になってきている。

設計上の負荷回路数の目安として、有効舞台面積を基礎とした算出例があるが、20年前は有効舞台面積1m2あたり0.8〜1.5回路のホールが多かったが、最近は1.2〜2.0を設定しているホールが多くなっている。

ここで、丸茂電機で施工したホールの例から説明したい。(資料により説明)

最近建設したホールの単位面積回路数をみると、ほとんどが演劇を主体としたホールであるが、照明設備の規模が大きくなっていることからもふんだんに照明スポットを使った演出が求められてきている。

 

(2) リモコン機器への対応

最近動く照明機材が多くなってきて、演出上の照明効果を上げる目的が当然ある。

全部がリモコン化すれば確かにそこまで人が行ってセットしなくて済むし、人間的にも省略でき、時間的にも低減できるが、コスト面ではメカを使うので大変高い。なかなかすべてがリモコンというホールは未だないのが実状である。

 

 

 

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