それは光源をどこに置くか、物・人が立つ位置はどこにするか、スクリーンにどう映るかということを考えた時代だと思う。美術家たちも光という物をどういうふうに取り入れたらよいのか試行錯誤したと思うし、苦労した時代であったと思われる。なぜなら光を取り入れて、さらに絵画空間の中でストーリーを作らねばならない。
発光体のように感じられる光の当たる光源と物と陰を非常にリアルにストーリーを展開しようとした時代があった。
※レンブラントの絵から→被写体(絵)をビデオスクリーンに映しながら説明する。
陰の部分と光の部分の使い分けがドラマチックに作られている。
一つの絵という舞台の中にどういうふうに光を作るかによって、距離感を表したり、深さを表したり、意味を表したり、別な精神的なものに神を表したり、様々な意味に光が使われている。
その後の時代は光そのものをどう表現したか。やはり自然の光が使われている。この時代は光の移り変わりを表現している日本幕末明治印象画が生まれてくる時代でもある。
キリコという作家の絵をみると、光と陰を人工的に使い、さらに遠近法をうまく使っているのがわかる。
ルノー作品をみると、光が充満する舞台装置でよく見受けられる装置、パステルカラー調の色彩・照明を使うために苦労しているのがわかる。マチス印象派、初期ルネッサンスの時は、光と陰が消えている。この時代、浮世絵も光と陰がどこにあるか描きません。東洋ではノーターンという技法線だけでできている。
一方、ヨーロッパも陰影から解放される時代になってくる。空がなぜ青いのか。光そのものが青く見えるような技法を使うようになったのである。
さて、中世・近代・現代の技法は光と陰を取り入れた演出を行ってきたのである。
(2) 舞台装置や光の捉え方について
※絵画を提示して説明する。
浮世絵、ルネッサンス期の作品には陰影がほとんどなくなっている。
1960年代、アクリル板とレーザー光線を使った作品が舞台で作られる。演出者は光を使ってどういう表現をしたか。
最近の光を使った作品から見られることは、自然の光りをどう取り入れていくか。陰をどう取り入れていくか。自然、外、内側からみても欧米と日本の光と陰の使い方が日常的に違う。照明の考え方が違う。
※スライド映写機の明かりにスライドを用いて説明
2. 絵の具と光の違いについて
※資料に基づいて説明する。
ニュートンがスペクトルを発見して以来、光が色を作る。波長の反射によって色を感じている。緑と青と赤色が基本にあって集めることによって白色になる。影の色を見る。