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○太田

この間、北海道文化財団が5周年記念事業を行いました。その中で、NHKの元司会者の鈴木健二さんが、北海道の百年の開拓でここまでいろいろな文化なり文明が発達したのは、歴史上ないと言っていました。北海道が百年ぐらいでこれだけいろいろなものが立ち上がって、いろいろな文化があり、産業が興きこれだけ発達したのは歴史上ないそうです。それだけ北海道は素材もあるし、とってもおもしろい地域だと思います。私は結構あちらこちらの地域に行っておりますが、地域参加型とかやりますと、うちの町ではこうなのだと地元の方は言われます。本当にすごい人たちがおられます。例えば、音楽をつくらせても、文章を書かせても、脚本をつくらせても本当に地域には6,000の町にはもちろん10,000人の町も20,000人の町も本当にすごい人たちがその町には住んでいる。そういった人たちをひっぱり出すというか、ちょっと来て手伝ってよ、ということを探し出して、そういう人たちをみつけるということも大事な、劇場の仕事をしている皆さんの仕事だと思います。そういう人たちは本当に必ずいます、来月の2月に浦河で町民ミュージカルをやるのですが、そのミュージカルの作曲をしている子は中学生で、すごい曲をかきます。中学生なんですが、本当に綺麗な曲をかきます。びっくりしました。そういう才能をもっている人たちが、いろいろな人たちが必ず街にはいます。そういう人たちを探す、そしてひっぱり出す、一緒に劇場を使ってやってもらう。いくらパソコンやコンピュータが発達しても、人と人とのつながりはこの時代になっても大事だと思います。劇場はそれしかありません。是非そういう人たちを探し出し劇場にかかわりあってもらうことも皆さんの大事な仕事だと思いますのでよろしくお願いします。

○平田

各市町村のホールには僕は期待しておりまして、これから日本は変っていくわけですが、その中で情報技術や科学技術と並んで芸術文化というのは、大きな役割を持っていると思います。その街の活性化には。その時には、どこがその役割を担うかというと、今の段階ではやはり各市町村のホール、公立文化施設にいらっしゃる方がその役割を担わざるを得ないということです。先程深澤さんがおっしゃったように札幌でしたら例えば、KITARAと市民会館というふうに施設の役割は分かれるわけですけれども、各市町村では一つの文化施設の中に美術館的な役割と市民ギャラリー的な役割が混在していると思います。その二つの役割があるということを認識することがすごく大事なのだと思います。市民に場を提供するという市民ギャラリー的な役割と、そこで芸術政策を展開していく美術館的な役割等を、二つあるのだということ認識するということが多分第一歩になるのではないかと思いますので、いろいろな町でそういう動きが始まるといいと思います。

それを担うアートマネージャーですが、私どもの演劇財団では、アクターズスクールというものがあります。今までは、俳優コースしかなかったのですが、この4月から研修科というのができました。研修科の中には、俳優コースだけでなくて、演出部コースとアートマネージメントコースができます。これは週1回ぐらい授業をやって、あとは実践的にいろいろなことをやろうとおもっています。いろいろな現場にいる人も参加できるようなかたちでアートマネージメントコースは開設しようかと思っておりますので、興味があったらお問いあわせください。

 

 

 

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