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札幌のように、非常に使用率の高いところでは無理な話なのですけれども。失礼ですけれども、決して使用率が非常に高い劇場というのは、あまりないと思われるので。そういう所でしたら、そうやって先程お話の出た市民の広場としての使い方です。技術的なことも含め、稽古とかその他にも、どんどん利用してもらって、あそこに行けば何かおもしろいことがあるぞ、というふうに思われるような劇場をつくっていくことが、これは技術者だけではなくて、会館管理の方の方になると思うのですけれども。そういう形が、大事なのではないかなというふうに思います。

委託型における課題とあるのですけれども、これはもうはっきりしてまして、いくら町とか、財団でもいいのですけれども、いくら金を出すかにはっきり言うとかかります。安いお金では、安い技術者しか雇えません。それだけの話なんです実は。委託型で、中標津なんか前にも、9年度の読んでいただくと分かるのですけれども、非常にいい形で立ち上がった委託の形なので、僕はとてもいい形かなというふうに思っています。

一番委託型で問題になるのは、技術水準の確保、これが一番問題になってくると思うのです。委託する以上は、技術水準の高いものを求めたい。だけれども、現実的には、そういう受け皿がない。というようなことってのはあると思うのです。

僕たちみたいな、商売やっているやつが、たくさん、それこそ余ってるほどいれば、いくらでも委託して受けれるわけですけれども、決して恒常的に足りてる状態で仕事しているわけではないですから。いざ足りなくなると、他の会社から人を借りてでも本番やるというような形で、ずっと続けてきているわけですから。その中から3人なり4人なりいきなり抜かれると困る。それだけ私どもの会社に力がないということでもあるのですけれども。そういうこともありますので。ただ幸いなことに、幸いと言いますか、今までの形で言いますと、新しく立ち上がってくるからそういうのが何かと解消できるのです。例えば、最初の1年、2年は、もうみんな勉強なのだから、一緒にやろうよという形でも行けると思うのです。ただ、今まで直営なり何なりでやってられた劇場が、突然委託に変わりますと、それにはそれなりの技術水準が求められると思うのです。

北見さんなんか、結構大分慣れたようですけれども、立ち上がった頃は、大変苦労なさったような話聞いています。そういうところの問題が、出てくると思うのです。

ボランティアに付いては、いろいろな考え方がありまして、僕は決して悪い方式ではないと思うのです。ただ、それこそ技術水準の確保が難しい。そうなればどうしたらいいかと言うと、ボランティアだからといって、その時だけ来てくれというのではなくて、こういう勉強会にどんどん出てもらって、技術集積をしていくようなことを、そういうボランティア型をやるのであれば、そのボランティアの人たちも、自分たちの一員、ホールのスタッフとして大事に考えて、技術集積できるような形をとっていってくれれば、ボランティア型でも決して悪い方向には進まないと思うのです。

最大の問題は、事故が起きた時、どこがどう責任を持つかということが、多分劇場管理の方としては、問題として出てくると思います。だからその辺の所を、例えば年間で、多分ボランティア保険というのもあるのだと思いますので、そういうのに入られるとか。それが労災になるのかどうかというの非常に難しい問題になってくると思いますので、そういう面で、保険制度がないかとかというのを探っていくというようなことも、必要になってくるのではないかと思います。

 

 

 

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