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イ. 輸送日数

トライアル運行における輸送所要日数は、海上輸送と比較しても短時間であり、ボストチヌィからブレストまでを16日という実績もある。しかし、あくまでトライアルであり、恒常的なものとはなっていない点に日本側の不満が強い。ロシア側は貨物量があれば、トライアルと同様の走行が可能であるという主張をしており、日本側の貨物量の少なさが定時性の確保を難しくしている要因との認識を示している。それに対し、日本側は定時性の確保が果たされないことが、貨物量の少なさの要因としており、両者の認識は正反対の様相を呈している。

 

ウ. 海上運送

日本・ボストチヌイ間の海上輸送は、SLBの最盛期である80年代には8隻体制で運行されていたが、現状は共同配船(FESCO/商船三井/飯野海運)で1隻のみが就航し、本船サイズも400TEU程度に過ぎず、ウィークリー体制とはなっていない。

 

エ. コンテナの問題

通常の海上コンテナ輸送の場合、フォワーダーは船会社コンテナを使用するが、コンテナ使用料を課せられることはない。しかし、SLBの場合、フォワーダーはコンテナ使用料が徴収される。さらに、SLBの着地側デポが満杯の場合、そこでのコンテナ返却が認められず日本での返却を要請されるが、返送費用はフォワーダー側の負担となるため、輸送が終わるまで収支の確定ができない。

 

 

 

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