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A それは小田さんの言うとおりです。国会議員の75%以上は大地主です。大権力です。75%は領主様で、私も真の民主制だとは思わないです。

それから投票場でもトラックで全部運んでくるんです。交通手段が非常に限られていますから、一般の人たちはなかなかタクシーにも乗れないし、トラックで全部運んできて投票するわけです。ナワズ・シャリフは恐らく支持は数%ぐらいじゃないですか。パキスタン人が私に彼は数%の支持しかないとEメールで送ってきたことがありました。本当に調べたら、不正はあるし、そういう人を運んできているし、それから投票率が全部で4割として、その中の6割獲得しても二十何%でしょう。投票が果たして民意を反映したものかどうかというと、そうではないと言えるでしょう。

小田 ここに出したのは(資料8)ロバート・バローの書いている論文ですが、今後、民主主義が予想される国ということでパキスタンが見事に入っている。当時の民主主義の指数というのは0.67ですが、2000年の民主主義指数は0.48と、かなり民主主義のレベルが落ちることを94年の時点で予測していたということです。

A この表はここに入っていますか。その表をいただきたい。

小田 高速道路は自前じゃないです。パキスタンはそういう高速道路をつくる自前のお金はないんです。すべて開発に関する資金というのは、海外からの援助に頼っています。確か、韓国の援助で建設が行われたはずです。

A あの高速道路は、アメリカのフリーウェーみたいなものですね。ただ、標識とか電灯なんかもあまり整備されていないから、やりにくいということですが、全く役に立っていないとは思わない。あそこを行き来している人はいます。ただ危ない。突然牛が上がってきたり。ただ、それはどこでも開発途上国はあるわけですから、役に立ってないとは言えないと思います。

小田 おっしゃるとおりで、将来的に役には立つと思うんですが、現時点であの道路をつくる必要性はあったのかということだと思うんです。それよりも一般道路を、だれもが通れる道路の方の整備を行った方がよかったのではないかと思います。

A もっとナワズ・シャリフが不評を買ったのは、パンジャブ地方に発電所をもう一つつくろうとしたことです。灌漑をよくするためのものです。それはものすごく反発をくった。私も全体からは小さい問題だからコメントしませんでしたが、発電所の大きな貯水池をつくる建設問題、どうしてあんな巨大なダムをつくろうとしているのかと。ものすごい反発が1年半ぐらいあったんです。それが彼の評判を悪くした原因です。

 

 

 

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