A これからアカデミックな勉強をしようと思っているのですが、経済成長と民主化の相関関係を、実証的に研究した人がこの人ですか。
小田 基本的には、ロバート・バローは、経済成長論というか、マクロ経済の方でして、実証に関するいろいろな研究を行っております。どういった要因が経済成長に影響を与えるかとかという研究をされている中で、民主化ということに焦点を当てて、民主主義が、経済にどういった影響を与えるのかというのを実証でやった方です。
A どういう本が出ているのですか。
小田 後ろに書いているんですけど、一番最後の「Democracy. A Recipe for Growth?」という論文をカレント・イシューズ・イン・エコノミック・デベロップメントという本の中で書いています。
A マーコン・ダーウリィングですか。
小田 これは編集者です。彼らが編集した本の中で、ロバート・バローは書いています。それから2年ほど前も、経済のジャーナルでこれをベースにした研究を発表されています。
A それから、闇経済についての研究は、どこのものでしょうか
小田 これはパキスタンにある、PIDEの研究です。パキスタン・インストュー・オブ・エコノミクスです。
A コレイシーですか。
小田 コレイシーさんが先月まで所長で、今は元プランニングコミッションのチーフエコノミストのケマルさんが所長をやっていらっしゃる。ここで発表になった数字です。
A そうですか。なかなかないんですよね。この裏経済の研究というのは数字がつかみにくいですからね。
小田 基本的にマネーサプライを基に産出した数字らしいです。
A パキスタンでそのことを研究すると、場合によっては殺されますからね。
小田 2点目の、大体SAARCというのは、非常に基盤が弱い。もともと設立時点において、地域連合の必要性というものが疑問視されていた。それから、パキスタンとインドという憎しみ合う二国が入っている。かつその二つの国が最も影響力があるということで、SAARC自体の結集力というのは非常に少ない。