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本当に優秀だと思う人が多いのです。ナワズ・シャリフや、ベナジールの時代に、どうしてこういう人が在野にいて、もったいないなという人が、今回抜擢されてトップの座についています。だから私は非常に期待しています。こういうことは皆さんわからないですよね。日本の今までの報道を見ている限りでは、想像できない。そういうことをもうちょっと理解していただきたいと思います。

小田 大臣とかを選ぶレベルにおいてでも、ネポティズムみたいなのはあってね。

A 今回はネポティズムなしでやっている。

小田 ナワズのときの大蔵大臣、ダルもそうです。彼は、ナワズのビジネスファミリーのアカウンタントでしたが、急に国家の大蔵大臣になってしまった。そのヤコブさんという方は、中央銀行総裁になる前はIMFでずっと働いていた人です。

A ヤコブさんは何回も首になりかけている。私に、もうやめる、嫌だ、やめるって言っていましたから。何回も首になりかけたけど、とにかく彼のように有能な人は少ない。

C 2点ほどお伺いしたいのですが、政治体制と、経済成長の関係、この辺をもう少し詳しくお願いします。

2番目の質問は、最後のところでちょっと触れられたのですが、パキスタンもインドも、どちらかというとパキスタンの方はイスラムとの関係を非常に強化しつつある、インドの方はASEANのほうにという話があったのですけど、その辺をもうちょっと詳しくお願いします。

小田 まず最初のところですが、政治体制、経済成長の関係ということで、民主政治、軍政の経済成長に与える影響というのは、プラス、マイナスがあって、一言では非常に言いづらいことですが、問題は政治が安定しているかどうかということです。要は国をまとめているシステム自体が安定しているかどうかというのが、経済成長にとっては非常に大切である。それが別に軍事政権であってもいいわけです。ですから、投資家にとってみれば、投資したお金がちゃんと返ってくる、利益を生んで返ってくる環境であれば、それは別に問題がないということで、政治の安定性と、経済成長の中で相関関係がみられるということです。

C その場合、経済体制は関係ないんですか。

小田 そこまで触れてはないのですが、基本的には自由な経済活動というのが前提になっていると思うのですけど。

 

 

 

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