E 住民投票。
貴島 住民投票の是非ね。それは、歴史が判断するんでしょうけど、いつかはやらないとできないし、かなり7、8年前から、ペロ司教が住民投票で決めろということを出しています。ただ、やっぱり放っておいたらもっと悪くなるかもしれません。軍隊を撤兵すればいいんですが、1万5000のインドネシア軍隊がいて、それが全部銃を渡すわけでしょう。民兵といったって、自分たちの組織と同じですから。それが暴れさせているわけでしょう。そんなのほっといたらますます悪くなって、独立できない。インドネシア領になってしまうのではないでしょうか。
そうしたらもっと悲惨なことが起きるかもしれませんよ。山の中には、フレティリンという独立派の方のゲリラがたくさん、まだまだじっと待っているんですから。その連中が今度は動き出しますよ。今はシヤナナグスマンはと言われたけど、ちゃんとフレティリンに対して、今は絶対に暴力に出るなということを言っているんですよ。それぐらい静かにしてやっていますから、これはしょうがないでしょうね。
歴史が判断することですが、僕は、住民投票は早ければ早い方がいいと思っていますけどね。もっと早ければもっとよかったかもしれません。
D 先ほどちょっと申し上げたんですが、国連のこれから暫定統治機構が入っていって、これからまさに、日本なんかも含めて、東ティモールヘの援助が始まるんですが、われわれが常に悩むところは、どこまでやるか、どこかのだれかが、東ティモールがいいバトンタッチをして、東ティモールが自分で自立していくということは、国連がどこまでをやって引き継ぐか。それから援助もどこまでやるべきか。
私もたまたま、ちょっと先週コソボへ行ってまいりまして、コソボでもちょうど国連の機構があって、現場も見てきて、あるところでは国連からもっと援助がきて、家を直してほしい、何を直してほしいというのが強いと同時に、被害の少なかったところは、どちらかというと、もう自立できるんだから、国連がそれ以上あまり関与しないで、適当なところで終わってくれと。両方がすごくミックスしている現状を見てきたわけです。
そういう観点から、今の東ティモールの中で、いろんな集会が行われているところの様子やなんかを情報としてとっているんですが、その中で、東ティモールの人たちの中で、国連が既製服をつくって、その既製服をぽんと渡されるような、そういう形のはごめん被るという声も、東ティモールの中であるみたいなんです。今の東ティモールというのは、ほっといて自分でおやりなさいというのは、あまりにもいろんなものが壊れちゃうし、いろんな経済レベルからみると、あまりにも低い。