貴島 ほかの国と違うのは、インドネシアがきてから殺戮率、強姦、暴乱がものすごい。それはほかの国はないですよね。もちろんポルトガルの植民地時代というのもそんなにいい政治をやったわけではないんです。人頭税を取って、モノカルチャーですから、コーヒーと香辛料です。有名なビャクダンがとれる。そういうモノカルチャーですから、だけど、ポルトガル時代には、あまり殺すとか、そういうのはなかったんです。インドネシアが入ってきてからは殺しがすごいですから、それが全然違うんじゃないですかね。ほかの国の、今お挙げになった国にはそういうのはないでしょう。そこだけ違う。
だから、東ティモールに関して、僕はどうしてもインドネシアのやっていることは許せない。それから、日本はぜひ援助してください。国際通貨基金でも何でもいいから。僕はインドネシアに出しているうちのほんの1%か2%でも東ティモールに回せば、ずいぶん違うと思います。僕らの計算では、ちょうど日本が援助している額の半分ぐらいが、インドネシアが東ティモールに送っている軍隊とか何とかに使っている費用になるんじゃないかなと考えるくらいでした。
僕なんか、国際会議にたまに出席すると、一番恥ずかしい思いをするのは、「あの日本が」ってすぐ言われる。「あの日本がなぜ東ティモールの独立に反対するんだ」と、絶対に言われる。あれだけインドネシアに援助しているんですから、世界中合わせても日本にかなわないぐらい援助しているんですから、その国が発言すれば、独立なんかすぐじゃないかと、世界の市民運動家たちはみんなそう思っていますよ。
D 一つお聞きしたいのは、ちょうど今、国連の方では、暫定統治機構の立ち上げというのが決議で決まりました。これからわれわれもそこへ人を出して、まずおっしゃった、日本から東ティモールヘの援助なんかも、これからやっていかないといけないと思っているんですが、その中で、ずっと人を送るということで、東ティモールの中での対日感情というのは、どうでしょうか。
貴島 少なくとも僕の周辺だけじゃないと思いますが、ティモール人はかなり日本に対しては好感を持っている。一つは、錯覚を起こしているんじゃないかと言ったのは、恐らく日本が、東ティモールを独立させてくれるんじゃないかという感じがあったこともあるんですが、日本人としてはものすごくよかったですよ。僕は、友達。
D 今でもそうですか。
貴島 今でもそうだと思います。今でも僕らの仲間は全部、この間、8月30日の投票なんかでも全部行っていますが、今でもいいそうです。