そうしたら、1996年かな、2、3年前に、ノーベル平和賞を2人がもらいました。もらってからも一度呼んだんですけど、ノーベル平和賞をもらった人にさえ、日本政府は全然会おうとしないんです。日本の政府というのは恐るべきですね。日本の政治に関係している人がいるかもしれないから、悪いですが。それはひどかったです。
僕は、APECのときにいつも官邸に行って、必ず総理大臣に、ちゃんと東ティモールのことを発言しろって言うんだけど、ほとんど発言した人はいなくて、宮沢さんだけですかね。あのときは、今度、外務大臣になった河野洋平さんが官房長官で、あの人とはちょっと仲がよかったものだから、「やれ」って言ったら「やります」というので、彼が初めて、一言だけ、「日本は東ティモール問題に対して、大変注目しています」と、それを一言言っただけです。日本政府がやったことは、それだけなんです。
また、インドネシア大使で発言したのは、これも一人。小和田恒さん。外務省であっちこっちの大使になっているでしょう。小和田さんがインドネシア大使になったときに、初めて1回だけ言っています。「東ティモール問題を、われわれは非常に注目していますよ」ということを言っているんです。注目というか、警告しているんです。
後は全部だめ。僕が行くと、外務省の南東アジア第二課というのかな、そこへ行くと、びっくりします。あそこの局長のところに大きな地図があります。見たら、東ティモールと西ティモールの間に境界線がないんです。これは何だと言って、国会で竹村参議院議員に質問させたんです。そうしたら、あわててまだらな線を引っ張っていたわけです。境界線がないんですよ。むちゃくちゃです。
国連の決議で、あれはインドネシア領でないというふうに、きちっと決議されているのに、境界線も何にもなくて、インドネシア領になっている。ちょっと僕は外務省を疑わざるを得ないです。どうしてあれはインドネシアなんだって、江田五月さんと仲よかったから質問させた。土井たか子さんにも質問趣意書というのを出して、何度か幾つか質問させているんですが、いずれもいい加減です。
外務省は、あれはインドネシアが実効支配しているというんです。実効的、こんなのは国際法上あるのかなと思うんだけど、僕は、国際法を多少は勉強したけど、実効的に支配しているというんです。