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国会議員は、ここの船橋洋一さんにアレンジしていただいて、英語が話せて外交が語れる方々というようなことで、若手14人ぐらい集めていただきました。どんな様子だったかというのを、参加者の一人、河野太郎衆院議員が彼のメール・マガジン「ごまめの歯ぎしり」の6月24日号で書いています。これは彼がネット上にオープンでやっておりますので、別に秘密でもなんでもないと思うんで、ちょっと披露させていただきます。参考になると思いますので。

「アメリカの外交問題評議会の北東アジアタスクフォース来日。朝食を食べながらのディスカッション。ほとんど武蔵丸に立ち向かう舞の海という感じで、がっぷり四つに組んだ議論にならず、力の差を感じた。テポドンの発射に関して、オプション1からオプション5までならべ、それぞれについて議論する。北は原爆を二つ持っている。この現実は変わらない。という前提をさらっといって、では、どうする? 本当にKEDOでいいのか? と突っ込んでくる。

こっちは表面をなでてきただけで、自分で突っ込んで考えていないところも多いし、お前、それでも国会議員かと自分で反省。うーん、すみません。だから、日本はなめられるんだよ、という声がどっかから聞こえてきそうだ。

アブラモウィッツ氏をはじめ、アメリカ政府の政策決定に実際に関わってきた人物ばかりだから、一年生議員とはレベルが違うんだよ、と言われるかもしれないが、四十代の総理大臣をつくろうなどと言っている以上、こっちもそれだけの勉強をしていなくては。大いに反省。」

私も実は同じような印象をもちました。ただ、河野さんの名誉のために一応弁護しておくと、彼は最も健闘していた議員のうちの1人でしたね。

やはり、安全保障政策というと、国防政策も一つのパーツですけれども、国防政策からもっと広がって地域論や軍事、国際関係、歴史、あるいはエネルギーや経済の問題を含めて、総合的な観点で知識やまた問題解決のために深く考えたことがないと、なかなかこういった人たちと対等の議論を戦わせることができないという気がいたします。

そこで、日本の最近の安全保障の議論の印象なんですが、もし一言で言えといわれたら、こんななぞかけふうの表現になるんじゃないかと思うんです。

 

 

 

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