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省庁の中では、新しい規則をつくる、法案をつくるというときにはインターネットに載せて、パブリックコメントで1月以内にコメントをくださいというのをやっていますので、今の法案なんかは載っているはずなんですね。まだ日本はインターネットの普及が遅れていますが、首相のホームページを開くと小渕さんの顔が出てきたり、内閣法制局の法案の審議状況があったりする。実は、随分情報は公開されているのです。ただ、それは今、まだ試行的でして、全部の情報は載っていないし、リアルタイムでは載っていない。その情報を載せるためにすごくお金がかかって、誰かが一所懸命入力しないといけない。それはきっと法案をばーっとなぞれば自動的にホームページに載せるような技術が開発されて、お金が安くならないと無理だと思うんですが、間違いなく情報は公開される方向に進んでいます。

情報公開法が成立して、我々は実は戦々恐々としているのです。内部で議論した経過、ペーパーがきっとオープンになるんですね。何でこの政策は決定したのだと。HIVの訴訟もされていますけれども、例えば、携帯電話について電波の使い方をこういうふうにやろうと。10年たったら、この辺に癌の人がたくさん増えた。役所は当時、癌の危険を予測し得なかった。いや、本当はできたんじゃないか。当時、そんな指摘もあったよねと言われて、いつ訴えられるかわからないという状況の中で行政をやらざるを得なくなってきました。

特に、今回の行政評価はすごく怖くて、今まで情報提供してないから市民から非難されることはなかったんです。内部的なんですけれども、一応PLAN・DO・SEEで、計画して、実行したところまで今までやっていたのが、今までシーがなかった。自分でシーをするんだ、するためには情報を集めていく、こういう結果になりましたというところまではやらなくてはいけなくなって、情報公開法でそれをオープンにされてしまうんですね。これを国民の目にさらされる。ものすごく怖いですね。そういった国民皆の目が行政をいい方向に持っていくと思う。それは選挙を通じ、国会議論を通じてやる。本当であれば、予算の評価だって会計検査院が使い方が違うと言って、決算委員会があって、翌年から見直されるはずなんです。あるいは、政策だって行政監察があって、これは無駄だと指摘されて見直されるはずなんです。今までも制度はあった。あったんですが、それはまだ、そういう情報をオープンにできるものがなかったので、国会の中ないしは行政庁の間だけでやられていた。でも、それが情報公開法と技術の進歩でみんなが知るようになる。

 

 

 

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