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我が国のおかしいところは、オープンにされていないのにオープンにされているのと同じだということなんですね。であれば、初めからオープンにしたらどうかと思うんですよ。そのほうが、例えば、審議会の委員は、OBは委員数の半分以下でなくちゃいかんとか、委員長はOBはだめだとか言いますけど、オープンにしさえすれば本当におかしな人は排除されるのではないか。氏素性で入れるとか入れないとかというのはおかしいんじゃないか。オープンにしさえすれば、おかしいものはおかしいとわかるし、おかしくないものはおかしくないわけです。公開すると、審議会で正常な審議ができないと言うでしょう。そんなことはないと思う。これ以上言うと、また物議をかもすからよしますが、私の経験から言うと、本当は、公開するとお粗末な議論をしているから恥ずかしいじゃないのかな。

A 先ほど、ジャーナリズムの話が出たから弁をかりて言うわけじゃないんですけれども、いろいろな人が情報に接して、いろいろな人が考えて、いろいろな意見が出てこないと厚みある議論にならないんですよね。確かに、記者クラブがあって、レクチャーがあって、担当記者がいるわけですから、その人がちゃんと勉強すればいい。確かにこれだけのが出たのだから読めといったら、それは読むのが一つの義務、一つの仕事かもわからないけど、多分、現実の仕事から見たら、これは読みきれないわけですよ。これを読まなきゃならないとなったら、もっと読まなきゃならないものもたくさんあって、とても一人じゃできないような仕組みになっているから、今の新聞社で、少なくとも霞が関がやってることとか、産業界がやっていることとか、海外がやっていることとか、みんな吟味することはまず不可能だと思うんですよね。だったら、いろいろなところの人たちがいろいろなものを、それぞれの得意分野で吟味しない限り、まず対応できないですよね。一番大事なのは、情報はとにかく公開されるべきだということで、新聞記者も記者クラブというエクスクルーシブなところで特別会員になって、都合のいい情報だけをもらえたからよかったんでしょうけど、そんなところで今の森羅万象な話をとてもカバーできないわけですよ。

ですから、シンクタンクとジャーナリズムのつながりはこれから必要になってくると思うんですけれども、その前提では、記者クラブに行くとこれはもらえるんだけれども、ほかの人は何とか省まで来ればあげるよみたいな話になると、ほとんど事実上、普通の人はもらえないわけですよ。よほど知り合いがいればもらえるけれど、普通の人がいきなりぱっと来てワンセットもらえるかといったら、そうはなっていないわけだから、いかに情報を公開して共有できるか。

 

 

 

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