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先ほどの通産省の話ですと、そもそも基本法で勝負というところが相当あって、基本法の書き方がうまかった。さらに言えば、最終報告書が基本になっているわけですから、最終報告書の段階でそこにくい込んでいるわけなので、それは1年前から半分決まっているといえば決まっている。そこに上手にかんだところがうまいところなんだと思います。

これは本部内にも回っていますから読ませていただいて、ワンポイント何とかというのは新聞にはないんですよね。これが出るということは、よく読んでいただいているということだし、逆に言えば、役人OBですねということがわかるんですけれども(笑)。先輩なので批判するつもりはもちろんないのですが、田中先生には私の人事権もないですから、逆に批判もできるんですけど(笑)。人事権を持っている人には言わないけれども、役所が違えば人事権がないので何でも言えるんです。

きょうのお話の中で私個人としては、内閣府については内閣官房と内閣府があって、内閣府の中にも総合調整と、他省庁と全く同じ平場のところを抱えているという、非常にうまいといえばうまい工夫がされている。別途、総務省というのがあって、官房と内閣府の総合調整、これ、何ですかねとみなさんおっしゃるんですね。私もよくわからないし、多分難しいんですよね。けれども、それは去年の秋口からずっと法制局が詰めてきた議論でもあって、今先生がおっしゃったように、うまいといえばうまく整理されている。それなりに、与えられた範囲の中でうまく整理されている。そういう意味では、読む人が読めば、確かに内閣機能が強化されたようにも読めるんですよね。運用次第の面もあるのですが、今よりよくなっていることは間違いない。

自分の仕事を正当化する意味で言うと、やっぱりこの法律全体としてはよくできていると思うんですね。1年間でここまでやるというのはそれなりに、その範囲内でよくできている。さらに役人を褒めると批判があるかもしれませんが、できたわけですから、役人というのは与えられた仕事は結局はやるということがよくわかるんですよ。そういう意味では、特に各省でこれを仕切っていらっしゃった方々は相当立派な人だったんだろうと思います。いろいろ根回しでつぶそうとした人もいるかもしれないし、つぶれることを内心期待した人もいっぱいいたんだろうけれども、つぶれていない。結局、全体としては、基本法なり最終報告書に沿ってできた。5年前なら考えられないし、私が入ったころから見れば全く考えられない。私が入ったころは特殊法人一個つぶすのすら難しいということですから、そういうことを考えれば、個々には問題がいっぱあるけれども、よくできていると私は思うんですよね。

 

 

 

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