財務省(現大蔵省)の設置法案では、逆にさらっと書いています。設置法の書き方で、大体、各省のレベルがよくわかりますね。各省バラバラ。各省の関心の度合いというか、そういう表現にとどめましょうか、随分違うなと。
田中 今のお話を通訳するとこういうことです(笑)。経済財政諮問会議が、おっしゃるように、各省に非常に重く受け止められています。総理大臣以下構成する議員が、それこそ日本を背負っていく人たちばかりですから。それはそれでかなり力を持つだろうなと。そこで、今の通産省は省名まで変えて、経済産業省にして、所掌事務にも経済財政諮問会議に自分が一員であること、必ず事務にもくい込めるような書き方が所掌事務に書いてあるんです。そこまでしないと心配なんですね。これをお読みになるとわかります。これも実は取り上げていたのですが、それを書こうとすると相当行を取られるものですから。ちょっとみっともないという感じがしますけれども。
A いじらしさが出ているわけですね。
田中 そうそう、いじらしさ。所掌事務をずっとご覧になると、本当におもしろい。
司会 おもしろい。
田中 彼が言ったように、大蔵省の設置法が一番スマートです。
司会 というか、見事にちりばめてある。ABCD、4段構えぐらいの戦略を持っていて、AがつぶれてもBでたたける。BがつぶれてもCでたたける。実に見事です。見事というのが私の印象ですね。そういう見方はあまりしていないでしょうが。
A 各省の方、どうですか。
田中 いろいろひどいことを言っているけど違うんじゃないのという話を実は期待しているんですけれども。
B よろしいですか。Bと言います。今行政改革関連の部署にいます。
田中 ああ、Bさん。あなたが解説したほうがよかった。
B いや、解説はできないです。今日は時間があったものですから、ちょっと来ているんですけれども。こういう議論はあまりすることがないのですが、個人的な見方ですけど、さっきの各省の設置法の中でもうまい下手が明らかにあるし。
田中 うまい下手ね。
B うまい下手、いろいろあるんですよね。あるいは、内閣法制局の担当参事官の違いもあることだろうし。