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3. 質疑応答

 

司会 質疑応答にうつります。どなたからでもどうぞ。

A 一つよろしいですか。

先ほどの経済財政諮問委員会のことなんですが、今の説明で非常によくわかったんですけれども、内閣府に入ってしまって、審議会というような立場にするという決定というのはどういうプロセスの中で行われたんでしょうか。確かに、今見ると、初めは何となく内閣直属のような感じで、いってみれば財政の枠組みとか、経済政策の基本的なかじ取りはここで決めるんだというような説明があったわけですよね。それが今見ると、リャンハンぐらい落ちて、官房の下の府のさらに相談役みたいな感じになったというのは、どういうプロセスの中でそうなったんでしょうか。

田中 いろいろ関係者から聞きましたが、気がつかなかったということです。

A 我々もそういうことじゃないかと思ってたんですけどね。

田中 善意に解釈すると、行革会議の提案者にはアメリカの類似の機関、非常に力を持っている機関が念頭にあった。さらに、私が今言っていることを法案をつくった人たちの立場に立って申し上げれば、運用しながら実現される話ではないか。例えば、土光さんの第二臨調。あれもそこら辺のお役所の隠れみのとなっている審議会なんです。でも、運用の仕方であれだけの力を持つことができたわけです。経済財政諮問会議というのは基本的にそういう性格のものだと思うのです。ですから、本当に議論した人たちが期待した性格を持たせて、そこで決めれば、予算方針でも基本方針でも何でもその通りにやってしまうというルールができれば力を持つようになる。

首相のリーダーシップだってそうですよね。首相にリーダーシップがあるんだったら、何もこんなことをしなくても田中角栄氏はやっていたろうとか、そんなことはその気になればできるんだという議論をするのであれば、この行革というのは全く意味がないわけです。そんなのはみんなやる気次第だろうと言われますと、確かにそういう面はあります。その面はあるけれど、きちんとシステムをつくろうというのが今度の原則だったわけです。

そうならないから問題にしているわけですよ。関係者からいろいろ話を聞きましたが、期待していたことをこれぐらい法律に書きにくいものはないですね。基本的に性格が調査、審議するものですから、これはどうもがいても仕方のない話です。

 

 

 

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