日本財団 図書館


それから、3つ目のところの「外国為替相場の決定」に関すること。実は、これは私はわかっているんです。外国為替相場が大混乱したときには、外為法を見ればわかりますが、国家は介入しなくてはいけないのです。そのことを書いてあるのですが、そのことをこのように一般的に書くんですかね。為替相場の決定を大蔵省が行う。そこまでおやりになるんですか、書き方があるのではないかと思いますけどね。

さらにひどいのは4番目の「資源の有効な利用の確保に関すること」。日本では資源の利用に関して、有効か有効でないかを役所が決めるんですね。これは財務省だけでなく今の通産省でもそうですし、各省、資源に関係するところは、すべて書いてあります。

最もおもしろいのが教育改革に関することですね。文部科学省の冒頭に書いてある仕事です。改革というのはそもそも所掌事務に内包されることではないですか。それをこと改まって、教育改革をやるのです。

ふざけているのは6つ目です。「教科書用図書の無償措置に関すること」。これは法律に書いておけば、法律を改正しなければ絶対に無償が続くわけですね。一方で改革しながら、一方では改革しませんよと言っているわけです。

さらに激しいのは、業に関する規定です。医薬品の製造業だけ取りあえず取り上げていますが、業を所管している省には皆この規定があります。例えば、今の運輸省、今度の国土交通省で言えば、各種運輸業、観光業まで含めていろいろな業、それが全部同じ書き方をしている。「○○業の発達、改善及び調整に関すること」。「調整」とは何ですか。役所が業を調整する。これは大変な国ですよ、日本というのは。だから、注意を喚起しておく。

それから、8番目、国土交通省については、このほかにもまだまだあるんですが、典型的なものだけを言いますと、「市民農園の整備の促進に関すること」。大所帯の国土交通省が、全国総合開発計画を所管しながら、なおかつ市民農園の設置の促進までお世話するんです(笑)。大変な役所だ。ヒマだとは言いませんけれども、「地方分権などどこ吹く風の霞が関でも最右翼」と書いたのはそういう意味であります。

こういう書き方をしたから後輩たちが「ひどいね」と言ったんだろうと思います。以上、簡単ですが、一応私からの説明を終わります。あとはご質問でお答えしたいと思います。同僚の司会者からも答えていただきたいと思います。

ご清聴どうもありがとうございました。

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION