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これは実感的にそう思います。繰り返しますけれども、内閣官房が強い決定権を持つようになる。その中心は大蔵官僚だ。それを総理に発言させる。だから、内閣府が少々のことを言ったって、何を言ってるのという話になる。非常に単純化して言えば、そういうことではないかというのが初めのところの問題であります。

 

【独立行政法人はうまく育てたい、そのためには長に人を得ることと的確な評価だ】

 

次に、「独立行政法人のトップは経営のプロを充てよ」と「東洋経済」に書きました。また、『都市問題研究(6月号)』という研究誌に、独立行政法人について、比較的詳しく書きましたので機会がございましたらご覧ください。

ところで、行革会議は、なぜ独立行政法人制度の創設を一生懸命やったか。特殊法人に手をつけないで、なぜ独立行政法人だけを一生懸命やったのかということがよく議論されます。一言で言えば、1府21省庁を1府12省庁にする、ということが至上命題だったからです。

省庁の半減は、ようかんの切り方を変えるだけじゃないかとよく言われますが、そうではないということを時間があれば説明しますけれども、批判のポイントは、今の仕事を一つも見直さないで、くっつけたり、離したりするにすぎないのではないかということを一言で言っていると思うんですね。有識者が言われるのは、省庁を半減するには、まず、今政府がやっている事務事業を見直し、不要な仕事はやめ、民営化していく、規制緩和していくべきだろう。つまり、官から民へということを徹底的にやった上でないとだめだよということが一つ。政府は、規制緩和推進3か年計画を2次にわたり進めてきました。しかしながら、推進母体としての行革委員会の規制緩和小委員会や、それを継いだ規制改革委員会の努力にもかかわらず、規制緩和はいまだ道半ばと言わざるを得ません。

それからもう一つ、先ほど国土交通省の話をしましたけれども、国から地方への事務や財源の委譲をドラスティックにやった上で省庁改革をやれと。地方分権は、地方分権推進委員会が懸命に進めてきましたが、機関委任事務の廃止は画期的な改革で評価できるものの、分権はまだまだ不十分といわざるを得ません。とりわけ税財源の分権についてはまったくといっていいほど進んでいません。

 

 

 

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