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なかなか内閣と内閣府の関係づけというのは、行革会議の最終報告の時点では、少なくとも私ども読む者からすれば、必ずしもはっきりしませんでした。内閣府は各省の上に立つ役所であるとして、内閣官房と内閣府とは、じゃあ、どうなるのかなということは、そのときから非常に気になっておりました。これはあいまいなままにしておくわけにはいかないのです。と言いますのは、内閣官房と内閣府との関係をあいまいにしておくと、それこそ国の重要事項について意思決定が宙ぶらりんになってしまうわけですから、中央省庁等改革推進本部においては顧問会議の意見も聞いて、どちらかを上にするほかない。

内閣府というのは内閣を助ける機関である。内閣官房も内閣の補助部局です。両方とも内閣を助けるのですが、法案をお読みになればわかりますけれども、内閣府は内閣を助けるという位置づけなんですが、それを全うするために内閣府は内閣官房を助けるということになっています。内閣官房を内閣府は助ける。ですから、手足なんですよね。そういう仕組みであるということを、まず頭においていただきたい。そのことが『週刊東洋経済』でいうと、左の2段目の終わりのほうに書いてありますけれども、経済財政諮問会議についていえば、この会議は内閣府に置かれる機関ですね。内閣府の中に経済財政諮問会議がある。その諮問会議は何をするかといえば、内閣官房の企画立案を助けるために「調査審議」し、「意見を述べる」。だから、審議会なんです。もちろん、総理大臣のほかに10人の議員がいて、審議するのですが、そのうちの4人は民間人だということになっていますけれども、他の6人は内閣官房長官とか公的機関のメンバーです。閣僚はプラスアルファでいくらでも入れることになっています。そういう一種の高度の審議機関であるわけであります。

経済財政諮問会議が置かれるに至ったプロセスをずっと見てみますと、例えば予算編成の基本方針などを審議するわけです。従来、大蔵省がすべて決めていた基本的なところはこっちへ持ってきたいという意思が行革会議の議論でも明らかであります。それを本当に生かそうとすれば、ここには一つしか書いておりませんが、二つあるんですね。一つは、ここに書いておりますように、諮問会議の審議結果を「最大限尊重する」規定を入れることです。総理大臣が入っておるから尊重するのは当たり前だと言う人がいますけれども、総理が入っていても無視される話は枚挙にいとまがありません。ですから、それが本当に生かされるかどうかということは、このことを本当にきちんとしていないといかんと思うので、きょう、衆議院を通るときの付帯決議に入るかどうかわかりませんが、入れるべきだと私は主張しております。

 

 

 

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