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各省設置法までつくっていこうとしますと、行革会議の最終報告とか、あるいは基本法で触れていないことまで、どうしても法律で書かざるを得ないことが相当出てきます。それは当然に、行革会議の主旨を踏まえて改正あるいは制定すべきなのですが、一言で言えば、それが必ずしもそうなっていない。無理ないんです。例えば、きょう話をする最後の行政評価の問題。この問題などは、行革会議自体が十分突っ込んで審議しなかったために、きょう論評するような問題を起こしているということなので、これは今の本部の事務局を責めるのは酷であります。以上初めに申し上げておきます。

しかしながら、このたびの法律案を丁寧に読んでみますと、政令とか、そのほか作用法をこれからつくったり改正したりしていかなければいけないことがわかります。あるいは、独立行政法人でいえば個別の法人の法律をつくっていかなければいけない。それを注意深く監視しないと危ないな、というのが基本的な問題認識であります。法律案を読むと、非常に大事な、肝心なことが議論されていることがわかります。これから話すことは、本部事務局、あるいは顧問会議において議論されているのですが、必ずしもそれが表に出ていないために、おそらく、マスコミの方々にも、学者にもいろいろ心配を与えているのではないか。そういう点が多分にあるということをまず申し上げておきたいと思います。

実は、これ(週刊東洋経済6月12日号)は7日に発売されたのですが、以後、多くの人からいろいろな電話等がございました。「随分ジャーナリスティックに書くもんですね」と。霞が関からの批評はそういうことでございました。また、どうも議論に飛躍があるのではないかと。特に「大蔵支配の拡大に」なんていうのは、なぜ大蔵支配の拡大になるのか、読んでいて、ちょっとよくわからないという批評がございました。一方、民間の人からは、オピニオンリーダーの人たちなんですが、「やっぱり文章が固いな、役人だね」とか、「もうちょっと歯切れよく悪口言ったらどうだね」という評価。霞が関の人たちというのは中堅幹部など。上の偉い人は知らんぷりしています。中堅幹部にいろいろ会って聞きますと、「霞が関のOBなのに、よくもまあここまで言うもんですね」と言われました。これらの意見からわかりますように、だれをも満足させるようなものは書けるものではありませんし、書くつもりもありません。私どもは、検討したことを素直にここに書いたということでご理解いただきたいと思います。

 

 

 

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