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自分が駐屯している隊の目の前でやっているんです。それでタバコ銭を稼ぐというような状態です。私が聞いた話では、売血も行われている。売血の施設が幾つかありますが、売血に来る人の半数ぐらいは軍人だったというような新聞記事を読んだ覚えもあります。

そういうことで、経済的な面からいうとかなり悲惨な状況にあるし、今ロシアはどんどん軍の数を減らして、確か110万人ぐらいにまでしようとしていますが、それを無理に政策的にやっていかなくても、自然発生的に少なくなっていって、しかもそれより下回るのではないかといわれています。

あと1点の政治的な影響力ですが、ソ連自体、軍の政治的な影響力というのは極めて強かったんですけれども、今みていると、軍の政治に対する影響力というのはソ連時代と比べるとかなり減っています。それは、選挙のシステムにも問題があるといいますか、ソ連時代は軍の中から何人というように決まっていて、ずっと代議員など出ていましたが、今はもちろん軍人出身の議員はいますけれども、自分の軍の政策を遂行し、利益を守れるような政治的な措置制度もない。そういったことから考えると、軍の政治に対する影響というのはかなり減っているとみていいと思います。

司会 終了の予定の時間になっていますが、もし、ここで質問がなければ、きょうのセミナーは閉会とさせていただきます。

本日は、どうもありがとうございました。

[文責事務局]

 

 

 

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