ヤブリンスキーについても、非常に頭のいい理性的な人ですし、ああいう人が大統領になってくれればいいなと私も思いますが、おそらく選挙で当選はできないのではないかと思います。
それで、チェルノムイルジンについては、首相を外れて、今ロシアの下院の「われらの家ロシア」の代表はやっていますが、実際、下院にまだ議席があるわけでもないし、政治的な基盤に関しては、先ほどお話ししましたコソボの大統領特使というのをやっていますけれども、大きく自分を政治的にアピールできる機会があまりない。今度選挙が行われた場合、ぜひともEさんの見通しもお伺いしたいんですが、「われらの家ロシア」については、そんなに議席を伸ばせないのではないかと私はみています。
そういったことからみて、「われらの家ロシア」の代表をやっているからといって、必ずしもそれが政治的なチャンスに結びつくとは限らない。彼はガスプロムというガスの巨大コンツェルンの会社にも影響力はもちろんありますけれども、経済が悪くなって、96年の選挙のときのように一人の候補にどんどん投資できるような状態でもない。そういった感じでいくと、資金源もそんなに豊富ではないし、カリスマ性もないし、政治的アピールのチャンスもない。だから、チェルノムイルジンについてもあまりチャンスがないのではないか。最近の世論調査でも、あの二人の支持率はそんなに高くありません。
E 私、そんなに詳しくはありませんけれども、一般的な考えとしては。
岸田 一応、その2人はとりあえず、もちろん大統領候補になる得る人物でありますが、とりあえずはこの4人のほうが、まだ可能性があるのではないかということで4人を挙げました。
実際、紙を見ていただければわかるのですが、あと2人名前を追加したら2ページ目に移ってしまうんです。それで4人にしたという技術的な問題もあります。(笑)
F きょうのテーマは日ロ関係ですが、はっきり言って、日本にとってのロシアというのは、どういうふうにみていらっしゃるのか。北方領土の問題なのか、あるいは先ほどお話に出ました核拡散の問題等々に関連しているのか、そういうコンテクストで、将来5年あるいは10年先に日本とロシアの間の知的ネットワークはどういうような形で構築されていくのかを、意見があったらご紹介ください。