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特に、中国などは非常に大きな国ですし、また、軍部の末端にも中央のコントロールがさいていないとか、特にあの国の場合は軍部が最近朱鎔基になってちょっと変わりましたけれども、商売をやっていて、実は、中央の知らないところで、必ずしも国としての政策というわけではないけれども、実際にそういうものが流れるということがいろいろあったように思うのです。

ロシアのほうからもいろいろ物資が北朝鮮に流れているということがあっても、ロシアについて私は土地勘がないですが、そういう可能性というのはあり得るわけです。例えば、本国政府としては別に北朝鮮に何か援助しようということはなくても、自分の利害とか商業的利害で実態的にそういうものが流れている、そういう可能性というのはあるのではないか、感覚的にそういう感じがしています。

岸田 核物質がよく流れたというのは、どこから流れているのかというと、やはり、生活に困った人間が流しているのです。そういったようなかなり低いレベルで流れるので、逆にそのほうが恐いといえば恐いです。

だから、国境がとにかくロシア、中国、北朝鮮とあって接していますので、あの辺は中央からかなり遠く離れたところでコントロールは確かにききにくいでしょうし、実際きいていない。ですから、そういった末端にもし手に入るようなことがあれば、それが一番恐いことです。

B 先ほどのナズドラチェンコのお話、非常に興味深いものでしたが、ロシアのゴルバチョフのウラジオ演説から、クラスノヤルスク演説とずっと続けて、ヨーロッパからアジアヘというそういう転換をやったと思います。エリツィンになって必ずしもその点が明確になっていないと思います。しかし、一応プリマコフがその延長線上で動いたように見えるんですが、我々は日本海周辺の共同開発といいますか共同市場化といいますか、そういうことにずっとかかわっているものですから、どうしてもシベリアの、特に東シベリアから極東にかけて、こういった地域に向けてのロシアの政策に非常に注目しているわけです。

しかし、どうもあそこの国は、共和国があったり、州があったり、行政制度が非常に複雑で、といって、まだ過渡期ですから必ずしも法律上権限が明確になっていないというようなこともあって、いろいろな投資問題とか、さまざまなプロジェクトの協力問題などが起きても、誰と交渉していいかわからないということがよく起こります。

 

 

 

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