日本財団 図書館


そのうちの化学者の10人がリストとして名前が挙がっているんですよ。それが、リクルートされて北朝鮮で働いているとか、テクノ開発、ミサイル技術などの技術者がそれにかかわっているとか、リストまで出ている。それは本当に信じていいものかどうかというのは私はわからない。

直接はもちろん当然行かないんですけれども、言ってしまいますと、イギリスか何かでダミー会社をつくったりなどして、それを経由してくるというルートがあるそうです。そういうものを私も持っていますが、うさん臭い。どこをどう信用していいのかわからない。裏をとることはできないでしょう。

岸田 そういう怪情報は至るところで出回っています。ただ、それが果たしてどこまで信用できるのかというのもわからない話で、実際、ソ連が北朝鮮に対する核の開発に協力したという事実はありますし、ロシアの新聞でもイズベスチアなどがもう3年ぐらい前になりますが、北朝鮮が核爆弾の起爆装置までつくっていたといったことまで書いていますから、もうある程度の核兵器製造能力はあるというのは一般的にも周知の事実です。

ただ、核兵器を実際に開発するには大規模な施設が要ります。ロシアが人だけ送って開発するのは不可能で、物質的な協力なども必要だと思います。しかも、アメリカが偵察衛星などでずっとウォッチしています。それをかいくぐってまでできるのかなというと、そこまではちょっと難しいのではないかという感じがします。

A トンネルを掘って起爆装置の実験をやったと、この前、未確認情報がありましたよね。あれも変な話で、やったなら軍事衛星で確認できまずからね。ガセネタとしては、一番うさん臭いのはロシア情報から出ているんですよ。

岸田 それが一番うさん臭いです。

A それは、何の意図をもってそうやって出しているのかということを考えたときに、一つの解釈としては、北朝鮮側が持っているというふうに見せかけるための宣伝であると考えるのか、もしくは本当に実際やっている情報なのか、そこら辺の判断がつきかねるんですよ。岸田さんの判断はどうですか。

岸田 ロシアで、例えばいろいろな人がこういう情報があると売り込んできたりすることもありますが、売り込み情報の場合は、かなり慎重になったほうがいいという気がします。

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION