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それと、核拡散問題ですが、これもご指摘がありましたように、実際、数年前に核物質を持った密輸グループが国境で摘発された例もありますし、それに、ひどい話ですが、飛行機に乗って国境を越えてしまって、外国で見つかったというような例もありまして、核管理はかなりずさんになっていることは間違いないでしょう。

特に、先ほどAさんに個人的にもお話ししましたが、軍に対する予算も昔に比べてかなり削減されています。まだ、戦略部門についてはそれでも手厚くされているほうではありますけれども、それでもなかなか予算が回らない。そういったような感じで、軍人も大将とか中将といった偉い幹部が軍を見捨てて企業に移ったりするという事態も出ていますので、その核の安全管理といったようなかなり高度な技術が要る部門についても、もうかなり人が流出しているという話も聞きます。ですから、これは国際的な枠組みで管理しなければいけないだろうと思います。

北朝鮮の武器の供与問題は、私もあまり知識がないのではっきりしたことはお答えできませんが、北朝鮮に対して武器を輸出しているのは、おそらく間違いないと思います。ただ、戦略的に重要な兵器なのか、どうなのかということですが、その点については、私が聞いている限りでは、そんな重要な戦略的な兵器は北朝鮮に流さないようにしているようです。

ただ、ロシアは、北朝鮮だけではなくて、アジアで韓国もかなり重視しています。ですから、韓国・アメリカを敵に回して北朝鮮に無制限に武器を流すということはないだろう。ロシアと北朝鮮の善隣友好協力条約も期限が切れてしまって、今は失効していますけれども、以前はこの中に軍事同盟条項があって、一方が侵攻されたら他方は助けるというような軍事協力条項がありましたが、新しい条約案にはこの項がばっさり抜けている。これは確かです。そういったことで、冷戦時代のようなあからさまな協力関係にはない。ロシアはむしろ韓国と北朝鮮と両方をにらみながら、それぞれに影響力を行使できるような戦略を立てているといった感じだと思います。

A 表向きはわかるんですが、どうもうさん臭い情報がこのごろ飛び交っていまして、その裏をとることが僕はできないのですが、例えばリストがちゃんと出ているんですよ。要するに、ロシアの核開発に携わった、要するに、チェルノブイリ型の原発の3号機だかなんだかというのを最初につくった研究所があります。

 

 

 

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