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3. 質疑応答

 

司会者 どうもありがとうございました。教育ということは、次のリーダーをどういう社会政策の中で育てていけばいいのかということで、アメリカの社会をモデルに、かつ、その中でノン・プロフィットというものがどういう役割を果たしているかということについてわかりやすくお話しいただきました。

ここで皆様からのご質問、あるいはコメント、あるいは上野さんからも問題提起が幾つかされていたと思いますので、それに対するご意見等も賜れればと思います。

まず、最初に、Aさんに上野さんの方からご質問があったと思うのですが。

A 今日は真城子さんのお話を聞こうと思ってまいりましたので、私がお話するのも何ですが、一言だけ短時間でお話させていただきたいと思います。

政策評価をすべきであるというのは、全くおっしゃるとおりだと思います。まず一つは、地方自治体では相当な動きになっていますように、自分たちで政策評価をする。例えば、通産省なんかもそういう課をつくっていますけれども、行政主体そのものが評価をしようとしているというのは、これはいいことだろうと思います。自分でやるわけですから、どうせいいかげんですけれども、そういう動きがあるというのはすごく大事なことだと思います。

次に、真城子さんがおっしゃったように、100分の1の予算を外部の業者に評価をさせるというのも、業者が育った後はあり得ると思いますけれども、私は自分たちでやるよりもっとひどくなると思います。それは例えば、今、総額20兆円の中小企業向けの信用保証協会の無担保、無審査の5000万円の保証がございますが、例えば、私が業者で評価しろと言われたら、このおかげで無担保なものですからみんな5000万借りられて、「まずゴルフ場の会員権をお買いになって、ゴルフ場の会員権が暴騰しました。とてもいいことです。それから、店頭株をお買いになりました。店頭株が暴騰しています。お陰で2部も1部もすべて上がっています。ヘッジファンドの買いも入って買うから安定しております」と書くと二度と発注いただけないわけです。完全に今の状態で外注しますと、役所におもねる形になるでしょうから、むしろ100分の1を予算から抜くのではなくて、タックスリダクション(減税)で個人が気に入った評価をするNPOを育てるために、そこに寄附したときにタックスリダクションということをして、むしろNPOの最初から評価する団体をも一足飛びに育てる。夢みたいな気もしますが、その方が早いと思います。

 

 

 

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