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国内法にしてもまだまだ本当に追及すべき点がたくさんありますので、そういった意味ではもっと時間をかけるべきだったかなということもありますが、でもあのタイミングを逸していたら、逆に言いますと40カ国を過ぎてしまえば、そして3月1日の発効が関係なくなってしまえば、いつ批准できたのかなということも思いました。そういった意味では現実的な選択であったのではないかと思っています。

司会者 最後の質問に入りたいと思いますが、Fさんどうぞ。

F 私、フリーのキャスター兼ジャーナリストとして仕事をしております日本テレビのFと申します。今日は貴重なお話を本当にありがとうございました。

私がお伺いしたいのは、主に批准されたあとのインプルメンテーションという細部の話になるんですが、こういういうふうな言い方をすると多少NGOの方々の活動に水を差すようなニュアンスに聞こえるかもしれませんが、実際にアンゴラとかカンボジアとかいろいろな地雷が埋められている場所というのは、どこに地雷を埋めたかという地図も明らかにせず、かなり自分勝手に埋めてしまっているような地域が多いわけです。そういった国々が果たして今後本当にその地雷を使わないということを約束できるのか、インプルメントできるのか、また既存の地雷をとっていくというのも非常に時間がかかって大変な作業ですが、そういった部分における希望的観測といいますか、また方向性とか、そのなかでのNGOの役割についてどうお考えか、伺わせていただけますか。

目加田 まさしくご指摘のとおりインプルメンテーションというのが本当に重要です。これは地雷の現場で活動するNGOがICBLを批判する際によく言われることですが、条約ができただけでは地雷は1個もなくならないというのが本当に現実的な問題です。もっと言ってしまえば、条約がなくても地雷がなくなればいいという側面もありますので、今後この条約をどのようにきちんとインプルメントしていくのかというのが、非常に大きな課題であります。

先ほどちょっと申し上げたモニタリング・リポートというのはまさしくそのためにありまして、政府がどこまで本当に条約義務というのを履行しているのかということを監視するためのものです。環境とか、人権ではなくて、軍備軍縮の分野でNGOが監視モニタリングの役割を担っているのは極めて異例といいますか、初めてのことなんですが、非常に細かくモニタリングの項目を決めまして、そういったこと1つ1つにおいて自国の政府がどのような行動をとっているのかということを報告して、そして監視する力というものを強めています。

 

 

 

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