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それに対して、例えば研究機関ですとかシンクタンクなどのNPO、これも当然ですけれど市民社会の重要な一員であるわけです。

ですから、NGOと一言で言ってしまうと、どうしてもグラスルーツ的な活動をする団体というふううにイメージされてしまいますが、市民社会というのは通常は企業、政府そしてそれ以外のセクターというものがすべて含まれると考えられて、一般的には使われていると認識しております。

B ただ、まだ全く定着していない言葉ですよね。今後そういう意味合いの言葉として定着させようというお考えなんですか。それとも、もうちょっと分かり易い言葉はないかという感じがするんですが。

目加田 そうですね、私が定着させようとかそういうことでは全くないんですが、日本では第三セクターですとか、非営利セクターですとか、さまざまな使われ方がしてまして、おっしゃるように社会のなかでその用語自体が定着しているということはないかと思いますが、政府、それから利益を追求する企業というものと違って、ノンガバメンタル、ノンプロフィットというところで市民社会を総称して呼んでいます。

でも、ご指摘の点はまさしく今世界でも議論されている点だと思います。例えば、シビカスという国際団体がありまして、自らを市民社会の連合体だと呼んでいるわけです。しかし、そこにおきましてもシビル・ソサイエティーってなんだということがさんざん議論にのぼりまして、多くの人のなかで統一した意見というものがまだ存在していないというのが現状でした。ですから、あくまでも企業ではなくて政府ではないということにとどまっていると思います。

C 日本国際交流センターのCと申します。最初にICBLの説明のところで、銀行口座もなければ本部もないという話だったんですが、そういうネットワークが70カ国で1,000以上の団体があるというと、どこかでリーダーシップをとっている団体が多分あって、団体なり集団が当然あるんだと思うんですね。そこがこういう運動をマネージしてずっと続けてきたと。それがほかのNGOの運動と違うのは、非常にプロセスが洗練されていたのだと思うんですが、そのグループというのは一体どういう人たちが実際にそれを担って、それから非常にオープンな組織ですから、当然参加して途中で抜けてしまう団体もあるだろうし、意見の対立も内部ではあると思うんです。そのへんはどういうふうに調整して、この運動をずっと継続してやってきたのか、その秘訣というのは一体何なんでしょうか。

 

 

 

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