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日本政府に対する偏見はありますが、しかし一方ではアメリカの政府とシンクタンクに対する偏った見方をしておりませんで、両方を代表した意見を出そうとしております。ですから我々は日本のメディアのバイアスのかかった情報を受けているわけですが、この結果日本人が日本の政府を理解する以上に、米国に対する理解をしており、情報は偏っていないと思います。

ファンダーバーク ありがとうございます。おっしゃるとおりクリントン大統領は大きな足跡を残したいと考えているでしょう。今までそれはできておりません。一般論として、、アメリカの大統領は国内政策で成功できなければ外交で勝とうというのであります。そのためにクリントン大統領が自分の遺産として外交で功績を上げたいということになるでしょう。これは伝統的な民主党の政策ではないのですが、国内の面では財政の均衡を達成する政策をするのではないかと思います。そして社会保障法のようなものを成立させようと願うかもしれません。彼にとっては、クリントン政権によって、将来のアメリカ人が保護されるということが重要なのだと思います。

それから外交の面ですが、中近東、バルカン、コソボといったところで功績を残したいのではないかと思います。また、国内政策では全体としてどういったパッケージをまとめることができるのかということが重要になってくるのではないかと思います。私個人は、クリントン大統領は大きな功績を残す事はないと思いますが、しかしうまくまとめてPRすることによって、アメリカを自分が救ったということを宣伝するのではないかと思います。1つ2つ国内の政策の面で、あるいは外交の面でも1つ2つやって、自分の功績にして、そしてリベラルな歴史学者やメディアには自分は偉大な大統領だったと書いてもらおうと考えているのではないでしょうか。

確かに私はルーマニアの大使をしておりました。チャウチェスクは実は北朝鮮に行った時に、北朝鮮の国民のキム・イルソンに対する崇拝ぶりを見たのです。これは強制的なものだとわかっていながらもうらやましく思ったのです。自国に帰ったときに自分を神のように国民に扱ってもらうために銅像などを作らせたのです。そして自分に対する批判は一切許さないとなったのです。北京との関係が非常に強かったために彼は「マウシェウスク」であると私どもの間でよく冗談に言っておりました。

 

 

 

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