さて、もうそろそろ準備ができているのではないかと思います。大変にタフな質問でありますから、少し時間を差し上げました。非常に重要な問題だと思いますので、ファンダーバーグ先生にコメントをお願いしたいと思います。
ファンダーバーク 昨年については保守自身が負けたとか、保守の見方が負けたということではなく、保守のイメージが負けたのだと思います。ですから、見解、理念については有権者の過半が支持していると思います。そして、その見解や理念とイメージは区分けするべきだと思います。しかし、政党というのは個人のイメージによって導かれることが多いようです。ですから、共和党あるいは民主党がどうなるのか、それはそのときのリーダーが誰かによって左右されると思います。保守の今の問題の1つには、よいイメージを国民に投射するようなリーダーがいないということだと思います。
率直に申し上げて、私はジョージ・ブッシュ・シニア(ブッシュ前大統領のこと)を好きではありませんでした。ですから、あまりジョージ・ブッシュ・ジュニア(ブッシュ前大統領の息子のこと)に対してもあまり熱を込めることができないような気がします。レーガンのもとブッシュが副大統領を務め、そしてそのあと大統領になったのですが、彼はレーガン政権の終わる2、3年前ごろからレーガンの支持派、人脈を全部カットしたわけです。そして穏健派、リベラルよりの人々、アイゼンハワー、フォード、ドール、キッシンジャー、ブッシュという面々によって、つまり共和党のロックフェラー派によって固めたわけです。ですから、共和党の主要ポストはロナルド・レーガンのアポインティばかりだったわけではありません。そういった意味で違いがあります。
私は、アメリカの政治は勝利を収めてはじめて機能し得ると考えています。また、政治で欲しいものをすべて手に入れることができるわけではないということも分かっています。完全に私が気に入るような保守の見解をもったロナルド・レーガンがもう1人生まれるとも思っておりません。ですからジョージ・ブッシュ・ジュニアでもアメリカ国民に訴えるのには適当な顔なのかもしれません。彼が選挙に勝つためにビル・クリントンのような顔になるかもしれない。もちろん選挙に勝つためには、ある程度クリントンのようにならなければいけないでしょうが。
ですから非常に鋭く指摘されたましたように、彼が本当にプライマリー選に勝つことができるのかが彼の問題なのです。その大統領選で勝つためには、共和党のプライマリー選で勝たなければいけないわけですから。