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これは、アメリカのみならずヨーロッパの政権においてもそうであります。現にイギリスにおいてもそうであります。そうしたなかで1つ、例えば共和党のなかで「弱者に優しい保守主義」という考え方があるように思いますが、こういった弱者に優しい、弱者に配慮した保守主義というものは共和党のなかで主流になっていくのかどうか、その点を質問させていただきます。

吉原 それでは、ファンダーバーグ先生お願いします。

ファンダーバーク 私が考えているよりも皆さんが接していらっしゃるアメリカに関するニュースにはバランスがもっとあるということを伺いまして、うれしく思いました。1つだけ申し上げますと、我々共和党の政治家はハリウッドの俳優で、選挙戦を助けてくれる人を探してまいりました。俳優たちのなかでも共和党支持の俳優は5人から7人ぐらいでしょうか。ですからハリウッド製の映画は私どもの偏見を表していません。ですからハリウッドで、チャールトン・ヘストンは別ですけれど、彼はどんどん歳をとっていますし、共和党支持者はほんの一握りしかいません。ほとんどの人々は私どものバイアスではないバイアスを表した映画です。シュワルツネッガーは共和党員ですが、ケネディ家の人と結婚していますから、あまり共和党員であることを表立って言えません。どんどんこういった共和党支持の人たちは死んでしまって、死に絶えていくということで問題です。

米国の政策についてですが、まず正直申し上げまして、アメリカ人は世界での出来事に関してはもう悪名高いほど無知です。世界の動きをフォローしている人間はほんの一握りのエリートだけです。アメリカ人は民族中心、自己中心主義、言語は1つだけ、そして自分たちの小さな国のなかの出来事にだけ目をとらわれていて、世界の出来事には目を向けていません。これは危険なことだと思っています。これを教育や何かはかの策をとおして是正できればと願っています。どうすればいいのか分かりませんが。

ただこれについては、今実際に1つの流れが生まれ始めていると思います。アメリカの様々な地方の人々が、自分が造っているものが実際にどこかの国に行っている、そして誰かがそれを買っている、外国人も買っているかもしれない、ということを認識しているのです。ですから少しはそういった買い手のことも学ぼうと彼らは思い始めているわけです。また観光客が、一体どういった国からアメリカに来ているのかというようなことにも目を向けるようになっています。ですから、そういった意味では昔よりも孤立主義が弱まってきているかもしれません。もっと外の世界のことを学ぶ必要があるということも認識し始めていると思います。

 

 

 

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