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それからまた、最後の4点目のアメリカ経済の減速の問題については、またのちほどフロアーからの質問でいくつか細かい具体的な問題が出るかと思いますのでよろしいかと思いますけれども、竹中先生、3点目に関してもう少し、よろしいでしょうか。

竹中 ほかの皆さんの質問もあるでしょうから結構です。

ファンダーバーク 経済的な観点からいえば共和党として、現在の共和党の政策の土台と考えられるものには社会保障の民営化という点があります。これは共和党としては十分自信をもっている、また十分勇気をもって一般大衆に語りかけるというほどのものではありません。民主党は常に共和党に対しての武器を用意しています。民主党は必ず選挙のときには共和党が社会保障を破壊しようとしていると言うのです。ですから、この社会保障という言葉を口にするのも恐ろしいという状況にあります。民主党を引き込み、そして署名でもさせて、この問題に歩調を合わせるということを言わなければ、このことは口に出して言えないのです。しかし将来は何らかの社会保障の民営化が適切だと我々は考えています。

我々は当然、規制緩和と減税が好ましいと考えています。様々な税制改革の提案を我々はしており、これが共和党の経済政策の中核をなしています。多くの共和党員は何らかの形での売上税を支持しています。また、下院のマジョリティー・リーダーのディック・アーミーのように、15%のフラット・タックスを支持する人々もいます。ですから共和党としては、大体15%一律のフラット・タックス、つまりまったく例外もなし、税額控除もなしということで、一律15%にすればいいということです。方法ははがきに名前を書いて、そして所得を書き、それに対して15%をかければいいわけです。もうやたらたくさんの書類に、毎年納税申告書を書いて出すことは必要なくなる。実際にはそうなるかどうか分かりませんが、はがき1枚ですむという考え方です。

今のアメリカの税率構造には、年2万ドルの収入の人々には15%、それから10万ドル以上の人には36%、それから15万ドル以上の人に対しては39.6%ということで、累進性があるわけです。そして州税、販売税云々を加えて、物品税も含めますと、50%、60%ぐらいの税率になるわけです。ですから、1年の半分は政府のために働いて、残りの半分は自分のために働いている。もう少し自分の稼ぎがあってもよいのではと皆考えています。政府が資金の使い方を十分知っていない、我々のほうがよく知っていると国民は思うのです。

 

 

 

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