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94年以来我々はワシントンDCを何とか変えようと努力してきました。ワシントンの経済は、首都でありながら国にとって大変恥ずかしい状況です、今でも路面に大きな穴があり、車ごととは申しませんが、タイヤは少なくとも簡単に飲み込まれてしまうほどです。東京ではそういったことは全然見当たりません。うまくいっているようです。ワシントンはタクシーに乗っていても、自分の車を運転していても、かなりガタガタします。これは何を言わんとしているのかといいますとい、人がなんにも仕事もしていないのに、そういった人の仕事を確保するために膨大な資金を使っているのであります。東欧の共産国に住んでいたときに人々が言っていたのは、皆給料はもらうものの、その仕事をする振りをし、給料を払う側もあたかもこっちも仕事をしているかのような振りをするということでした。しかし、我々の哲学はこれとは少し違います。

また一方では、世界の例と比較しますとアメリカの共和党および民主党の各々のポリシーが全く異なるというようには見えないということも認めざるを得ません。これは国内政策、あるいは外交政策につきましても、かなりのコンセンサスがあるということは確かです。一方で、草の根レベルの人は哲学的な違いをもっていることは確かです。しかし彼らの考え方がワシントンまでいっていろんな妥協をさせられた結果、結果として民主党と共和党が非常に似ているようにみえてしまうのではないかと思うのです。私個人がアメリカ経済の拡大の下支えになってきたのは、もちろん民営化が進みましたし、ある程度の減税も行われたことも事実ですが、一番大きな下支えになったのは人の心理だと思います。景気がよくなっている、みんなの生活もよくなっているという心理だと思います。

事実関係だけをみますと、確かに過大評価されていると思います。株式市場は確かに高すぎます。一方で、日本の株は過小評価されています。しかし、アメリカの株価が高いのは、人の心理として拡大基調にあるというところからきていると思います。いつかははじけるでしょう。いつかは終わるでしょう。しかし、99年は昨年同様いい年であると言っている人がほとんどであるのも事実です。2000年以降に是正、調整があるということが考えられます。つまり、2000年まで議会はあまり多くのことをやらないのではないかと思います。お時間をとりました、失礼いたしました。

吉原 政策の対立軸の点について、ファンダーバーク先生の方から、アメリカの民主党と共和党の間にどのような対立軸というものがあるのかということについて明瞭かつ具体的に、もう少し突っ込んでお話しをお願いできればと思います。

 

 

 

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