小原 ほとんど今お答えをおっしゃっていただいたので、あまり付け加えることはないのですが、当然持つべきか、持ってはいけないかどうかという問題よりも、まず持っていることによって、その分ほとんど利益を生んでいない。今金利が低いからいいですが、金利が高くなったら保有株式は逆ザヤになってしまうということと、それからおっしゃたようにキャピタルロスの問題があります。今7、8兆円の多額の含み益になっていたとしても、それを銀行がほとんど考慮に入れずに慎重に行動するようになってきたわけですね。逆に言えば、含み損というものが起こったときにどうするのかということを前提に、今貸出の行動をしていますから、全くリスクをとらないというようになってしまっているわけです。
では、どうあるべきか。会計の問題もあると思いますが、やはり即刻それは減少、圧縮させるようなシステムをつくるべきだと思います。ただ、そこにもう1回公的資金をつぎ込むというようになったら、はっきり言ってそれは無理だと思いますし、反対ですね。ですから、やはり何かほかの方法を考えるべきだと思います。
研究所や証券会社などがいろいろな提案をしていますが、一番乗ってこないのは、最近乗ってきていないのは政治のほうで、株が上がってきているからかもしれませんけれども、ほとんど興味をもってくれていないというのが1つです。それから2つ目は、銀行のほうに持っていきますと、議決権の問題等が出てきます。それを失わないで放出する方法はないだろうかとか、やはり取引関係が傷つくとか、要はそれだけで取引関係が続いているように銀行が思っているのかと言いたくなるわけです。国も銀行もニーズを感じてくれていない。つまり、危機感がないのだと思います。
ですから、強制的にやらせるというようなことでもない限り、なかなか難しい。
司会者 どうぞ、Cさん。
C 私は銀行出身ということで、小原さんの話を伺っていまして、いろいろなところで反論したいのですが、残念ながらほとんど基本的には同感であるというふうに言わざるを得ないんですね。もちろん、全面的にという意味ではありません。そのなかでただ、トップのマネージメントのクラスと中堅層以下というふうに分けて、中堅層、支店長以下くらいには、かなりの危機感と認識というものが出てきているということは言えるのではないかと思います。