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司会者 3点についてコメントがありますでしょうか。

白井 どうもありがとうございます。コメントというか、必ずしもそれに関連しないのですが、私の考えで、B先生はまた別かもしれませんけれども、IMFのほうはプログラムが失敗したというふうに認識していないと思うんですね。

B それは違うと思います。僕は違うと思うし、彼らは失敗していないと思う。それはそれでいいと思うんですね。ただ、予測が甘かったなんていうのは全くの言い訳で、経済がどうなるかなんて半分以上彼らが決めているわけでしょう。それはプログラムが違っていたので予測が合わなくなったわけでしょう。

白井 もちろんそうです。それに付け加える感じになりますけれども、もともと非常に楽観的な経済成長率とかが、プログラムの最初に予測されましたが、その楽観的な見解の背景には、IMFのプログラムを採用すればある程度資本流出の流れをストップすることができるというような見解があって、そういった見解に基づいてプログラムが作られていたので、それが実際には為替レートの安定化がすぐにはなされなかったということと、思ったよりもロール・オーバーができなかったというようなことなどがありまして、最終的には大幅な修正をすることになったのだと思います。

司会者 時間があと15分ぐらいですが、Cさん、Dさん、Eさんの順で手短にご質問をどうぞ。

C 分からないでサインするというところ、非常に面白く聞かせていただきました。ありがとうございます。それでまずIMFプログラムに対する批判が整理してあるのですが、IMFそのものに対する批判がありますね。つまり固定レート制そのものが問題なんだとか、あるいはIMFが危機になると出てきて何とかしてくれるからモラルハザードが起きるとか。例えばビジネスウイークにバローがIMFは火消しではなくて放火魔だというように書いていましたけれども、そういう批判について、ここで全然触れられていなかったのですが、それについてどう考えるか。

それから2番目は、厳しすぎるという話は結局信用危機か流動危機かの話で、ウォルター・バジェットにさかのぼる議論だと思います。そうすると厳しすぎると言っている人は、私の考えではそれは流動性危機でなければならないわけですが、やっぱりアジアの危機というのはかなりの部分信用危機で、やっぱり引き締めざるを得ないと思うのです。

 

 

 

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