その意味では、少なくもジャカルタについては日本は非常にいい。それでは地方はどうかというと、例えばJICAで派遣された人というのは、ほとんどインドネシア全域におります。この人たちは今のところ技術協力だけをやっているのですが、そういう人たちに月1回でも、本当は週1回ぐらい、何でもいいからそこで起こっていることを知らせてくれというだけで、実は相当様々な情報が入ってくるインフラストラクチャーがすでにあると私は思うのです。重要なのはむしろ、そういう頭があるかないか。今のところその頭があんまりないのではないかという気がしますが。
C そう思いますね。
B 関連する質問で、今の中間層が大きくなったということで、彼らの代表としてギナンジャールであったりエムエルサレムとかそういう方の大統領候補の芽はあるのでしょうか。
白石 ゼロでしょうね。
B 政治的に、もうそんなに政治は生易しいものではないと。
白石 ギナンジャールという人は有力者のなかでは一番真っ黒けの人でしょうね。彼が出てきますと、もう途端にいっぱいスキャンダルがありますね。具体的に言いますと、例えばフリーポートというイリアンの利権がありますけれども、鉱山エネルギー大臣のとき随分彼はやっているみたいなんです。もちろん具体的な証拠を私はもっておりませんが。それをハビビはもっているんですよ。だからある意味では、首を突き付けているのですね。
それからあと日本とインドネシアの関係をみましても、ギナンジャールの妹というのがすごいですよね。これも私あまり具体的なことは申し上げませんけれども、大体ギナンジャールがくると、このホテルのワンフロアーを全部借り切って、そこでいろいろなことするわけですが、強烈ですね。ですから私はギナンジャールはないと思います。
それからエムエルサレムという人は消えましたね。それで中間層といっても私、実はこういうふうに考えるといいと思うのです。ジャカルタというのは大体人口800万です。ジャカルタのうち中間層といわれる人たちは、恐らくどんなに大きくみても80万。この人たちはオピニオンリーダーです。選挙になると、この人たちの言うことでどれだけ票が取れるかというと、私はあんまり取れないと思うんですね。