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B あきれていると思いますよ。

司会者 そういう意味では、国際機関に対するイリュージョンみたいなものを、小沢さんはある程度意識しておられるのかなということだと思います。

一応、時間ですので、きょうはほんとうにありがとうございました。

(拍手)

B 大分すっきりしました。久しぶりに、堂々たる議論ですっきりしました。

C 長期金利の話をお聞きしたいのです。ホームページを見たら、国債引受はだめだけど、ツイスト・オペはやると書いてあったでしょう。その辺の真意を、ちょっと。

鈴木 それはですね、今の長期金利上昇というのは、明らかにクラウディング・アウトではないわけです。今、金融は超緩和しているのですから。そうではなくてラショナル・エクスペクテーションなんです。つまり、将来、大量の長期国債が出てくる。そうすれば値崩れするだろう。値崩れしたら損するだろう。それじゃ、損しないうちに売ってしまえと、みんな一斉に売ったから、ラショナル・エクスペクテーションで、将来起こるはずのやつが今起きてしまったんですね。

ところが、マーケットにセグメンテーションがなければ、短期金利というのは0%台、長期金利が2%台に上がったら、必ず金利裁定が起きるはずなんです。これが起きない。もし、近い将来、景気が回復すると。政策的に短期金利が上がるという予想があるならいいですよ。そういうことはあり得ないんだから。それでイールドカーブが立っているわけではない。そこの立っているイールドカーブの説明は、何かの理由で過渡的であるにしろ、一種のセグメンテーションが起きているなということ。僕は、恐らくそれはね、まだ長期国債が値崩れするかもしれないという予想だと思う。

C ということは、マーケットが……。

鈴木 ラショナル・エクスペクテーションで、そう考えて売りに出る。だから、それをぶち壊す政策をとろう。

それをぶち壊す政策は何だろうといったら2つあります。1つは、皆さんが考えているほど長期国債は出ませんよということを政府が明らかにする。それは、きょうの新聞などにも出てるようにです。予算書に書いてある償還計画というのは、大蔵大臣の権限で直せますから。直して、長期国債の発行をがっと絞って、中期と短期を増やしますよとぽーんとアナウンスすればいい。同じことを日本銀行がやろうと思ったら、ツイスト・オペだと。長期国債を買ってFBをばんばん売るというツイスト・オペをやれば、政府に対する信用供用は別に増えているわけではないから、節度の問題だってクリアできるでしょうと。みんな、長期国債の買い切りオペをやれ、やれと言っているけど、僕は、そんなことをやったらダブダブになってくると思います。それは、当然、FBの売りで吸い上げる。

 

 

 

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