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鈴木 国連軍あるいは多国籍軍ですけどね。

B そんなものね、今、国連の地位なんて、アメリカもほとんど信じていないし、評価もしていないですよね。むしろ、同盟関係をきちっと構築して安全保障というのに、どうなってしまったのかなという感じです。

鈴木 同盟関係をきちんと構築して安全保障を確保するというのは、やっぱりすごく危険だなと思っています。個別的自衛権も危険ですよ。個別的自衛権ありと言ったら、同胞を助けるためとか言って、満州事変だって支那事変だって、どんどんそうやって入っていってやったわけでしょう。個別的自衛権も極めて危ないんですね。集団的自衛権も、集団的自衛権で我々の国を守る、一緒になって米軍と戦って守るんだというのも、米軍について、どこまで出ていくか分からない。

B 今、基本はそれしかないんじゃないですか。

鈴木 日米安保条約はそうですが、ただ米軍と一緒に戦うんじゃなくて、英語もしゃべれない日本の軍隊なんて邪魔だろうから後ろにいると。でも後ろにも弾は飛んでくるから、そのときは戦う。

B 何かちょっと、僕はぎょっとしているのは、今の世界でだれも国連なんて信じていないし、力もないし、アメリカだって無視しているんですよ。

C 何か僕はね、議論をすりかえたなという気がするんですけどね。

B 何かそんな感じです。

C 小沢さんのやりたいことは一貫しているんですよ。地球の裏だって行きたいということでね。ただ行くときの理屈づけが変わってしまって、要するに、自衛と国際協力を分けて、前は自衛でやっていた話を、それを取り下げて、全部国際協力……、ああ、いい言葉があったと。これでやりゃ地球の裏まで行けるという形ですぽんといってしまって、今度、自衛のため、自衛のため、自衛って危ないぞ、危ないぞと言って、社民党と同じようなことを言うわけですよ、ほとんどね。だけど、おれたちはこっちの国際貢献で地球の裏まで行けるんだという論理を構築してしまったんだけれども、その根拠は何ですかといったら、国連軍と多国籍軍。ほんとうにこれ、僕は、どうぞご勝手にという感じですけど、それで行くのかなと思うのですが。

 

 

 

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