B みずから競争しなければならなくなるわけですからね。
E 安保なんですけどね、ここに安保の基本方針の明確化と書かれているわけですけれども、自由党になって、それは確かに明確化したと思うんですよ。この間の自自合意を見ても、すごく明確だと思うのですが、その前の新進党のときはよくわからなかったわけですね。
鈴木 新進党のときに、日本再構築宣言というものを出して、あそこにもわりと書いてあったんですけどね。
E あの当時、野田さんが、朝鮮半島有事があっても、国連がイエスと言わなければ何もしないんだと。それが我々の考え方だと。
鈴木 それは、ご指摘のとおりで整理がついてなかったですな、新進党時代には。自由党になってきちっと整理して。さっき言ったように、この2つは違う話だと。憲法前文で言っている話と9条が言っている話は違うというふうに整理したのですね。
E それは、やっぱり党内でいろいろあったということなんですか。
鈴木 新進党のときには、やっぱりいろんな人がいましたからね。ちょっとおっかなびっくりのところがありましたね、安全保障問題の議論は。それで党内が分裂してしまったら大変だという背景は少しありましたね。
B 今の問題で、新進党の前段のときに、小沢さんが集団自衛は言っておられましたよね。
鈴木 いや、小沢さんの考えもね、『日本改造計画』の中で言っていたのと今の考え方は……。
B 大分違ってきましたね。
鈴木 前は、何となく集団的自衛権を認めるようなニュアンスがあったじゃないですか。今は、集団的であれ個別的であれ、9条ははっきり禁止しているのだから、急迫不正の侵害以外は。
B 僕はね、それはちょっと驚いたんですよね。というのは、あれは公明党が集団自衛は絶対反対ですから、あれを引き込む……、政局でもって、あの方は旗をおろしたなと思って、僕はかなり失望したんですね。本来、同盟国なら集団自衛権というのは常識中の常識ですからね。内閣法制局長官が言ったからという、それで否定するというばかな話ではないわけですよね。正論を言ってもらいたかったのに変わってしまった。そしたら、今度は国連と言うわけでしょう。それで、今度は自衛の範囲をものすごく狭めて、全く独立に考えると。
そうすると、私はわからなくなるのはね、何でいきなり国連とつき合わなければならないのか。前文と言うけど、今、国連なんて世界でだれも信じていないのに。