ですから、長期的に全部収縮のほうへ向いている。そういう状態の中で、株が何を将来のたくましい発展としてとらえるのか。それがないと、雇用はついてこれないんですね。そこら辺が完全にエア・ポケットで、私、最高のマクロの議論というのは、とにかく財政資金をつぎ込めば何とかなると……、私は、何を言ってるんだろう、この人はという感じなんですよね。財政資金はいいけど、公共工事で非常に乗数効果の効かないようなところへどんどんつぎ込んで、ものすごい莫大な蓄積をつくって、それが長期金利にはね返ってくるというような状況の中で、一体、この産業界の……。情報投資をすればいいのかといったって、ソフトウエアをつけないで情報投資をしたって、これは役に立ちませんからね。何か非常に重要なものが欠けているような気がしました。
鈴木 おっしゃるとおりだと思うのです。それで、日本の株式市場というのは捨てたもんじゃないな、よく見ているなと、最近、ちょっと思うのは、御承知のように、ことしに入って日本の銀行株がずっと回復してきているんですね。あれはなぜかというと、さっきも言ったように、日債銀をぱーんとつぶしたでしょう。そして、みんな目の色を変えて動き出したじゃないですか。それで60兆円という支えもできているというので、いよいよ変わってきた。それで、海外からも少し金が入っているし、国内でも、もう泥沼状態だと思っていた日本の銀行界が、本気になって再建に向かって動き出したと評価している人が加わってくるものだから、銀行株はすごく回復したんですよ。
B そこはわかります。
鈴木 それから、去年からことしにかけて最高値を更新している株もあるんですね。
だから、やっぱりそういう前向きのリストラをして、あるいは新しい時代に即応して動き出しているところはどこかというのを、マーケットはよく見ていますよね。
B キラキラした小さなグローバル企業と僕は呼んでいるのですが、200くらいありますね。あれが株は非常に高いですね。実によく見ていますね。
鈴木 かなり、そういうものを促進するような税制や商法の改正や何かを、ずっと去年からやってきているわけですね。御承知のように、純粋持ち株会社を解禁したでしょう。そして、それをつくるに当たって株式交換方式を使えるようにしてあげたでしょう。それと同時に、連結納税制を。
B そうすると、先生は4〜6月の底を見た後は、株が相当上がってくるだろうと、こんな感じですね。