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C 上にいったときに、さあ、チャンスなのか、逆に言うと、企業経営でもそうですよ。やっぱり追い詰められて、ひどいことになるから経営者が変わったり、リストラをやらなければならないわけでしょう。企業業績が上向いたら、みんなやらないですよ。やっぱり社長さんは、自分がやりやすいようにするだろうし、そこができれば、確かにいいかもしれない。

逆に言うと、今、もうちょっと……、これを見ると、いつも、ことしも何とかいく、来年も何とかいくという話でずっと引き延ばしていると、3年とか5年で、やっぱりきちんとしたその辺の処方箋を書くぐらいの計画で、場合によっては、ことし0.5%成長なんて言わないで、逆に言うと3%落ち込むことだっていいんじゃないでしょうか。それぐらいのところで、5年くらいの計画でいろいろなことを、プログラムをつくることをやらないと、いつも、今が居心地がいいような状況で……、選挙を戦うにはわからないでもないですよ。でも、ほんとうにそれで改革ができるのかなと思うんです。

司会者 基本的には、確かに財政再建の問題というのは、5年前の財政再建は長期の問題だと言っていたし、10年前も財政再建は長期の問題だと言ってたし、今も言っている。いつまでたっても長期の問題だという問題があるわけですね。

鈴木 2年前は、今の問題だと言って経済をめちゃくちゃにしてしまった。(笑)

司会者 鈴木先生のイメージされるのは、やっぱりアメリカの例だと思うんですね。アメリカでは、そういうふうに、一応、10年かかったけど何とかやったじゃないかと。ただし、これも見ていくと、一方で、80年代の後半ぐらい、86年の税制改革等々で、ちゃんと赤字を減らそうというふうにやっていくわけですね。ブッシュが出てきたときに経済がわーっとよくなって、それでブッシュの後半あたりから、そのデフレ効果で経済がものすごく悪くなってブッシュは負けるわけですね。結局、共和党がやった後のいい結果を民主党が取ったということで、そういうった意味では政治的な難しさは私は非常に出てくるのかなと思うんですね。

ただ逆の面としては、今、まさかデフレ政策をとるわけにもいかないでしょうという議論は、やっぱり認めざるを得ないのかなという気もするんですよね。

 

 

 

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