恐らく、その場合、消費税率は最終的に2025年あたりから35年ぐらいがピークになってくるでしょう。もちろん10%は超えると思いますが、なかなか試算しにくいところがあります。つまり、介護の制度がうまくすると、高齢者医療がかなり減りますからね。この3つをうまくやっていけば、そんなに増えないかもしれない。ここのところは不確定要素が非常に多いので、十何%までいくのか、確定数字は今のところ言えません。これは、構造的なねらい。
それから短期的なねらいは、インターテンポラル・サブスティテューション(intertemporal substitution)をねらっているということであります。インターテンポラル・サブスティテューションをねらう政策は、この消費税の一時凍結と再引き上げ以外に、時限的に投資減税をやるとか、あるいはクレジット・タックスですね。設備投資、住宅購入、耐久財購入の一定割合を、課税所得から控除してやろうというクレジット・タックスでもやれると。僕らは、何も消費税の一時凍結、再引き上げだけにこだわっているのではない。ここまで落ち込んでくると、インターテンポラル・サブスティテューションをねらう以外に、プラス成長に確実に転換する手段がないじゃないか。さっき言ったように、普通に直接税減税をやったって効かないでしょう。所得が減っているときは効かないでしょう。それから、普通に公共投資を伸ばしてみたって、設備投資が突っ込んでいるときは効かないでしょう。もうそういうところに金を使うのはやめましょう。それより、インターテンポラル・サブスティテューションが確実です。しかも、これは計算してみると乗数が非常に大きい。支出を増やさなきゃ減税の恩恵に浴せないという仕掛けになっていますから、これはそんなにお金がかかるわけではない。乗数は高いというふうに思いますので、私どもはインターテンポラル・サブスティテューションを、最後の手としてやらなくては立ち直れないのではないかというふうに考えています。
それから、私どもがもう1つ考えている大事なところは、直接税の大型減税をしているわけですね。来年度予算だって、9.4兆円ぐらい。9.4兆円も直接税減税をして、いずれ増税しなきゃこの穴は埋まらないでしょう。だったら、ラショナル・エクスペクテーションをする人がいたら、みんな貯蓄に回してしまうでしょうという、こういう議論があるわけです。私ども自由党は、今やっている大型直接税減税の財源は、将来の増税ではないんだと言っているのです。行革による歳出カットなんだと言っているんです。将来、税金が上がってくるのは消費税率のところだけだと言っている。消費税率のところが上がってくるが、これはぴたっと、さっき言った基礎年金、高齢者医療、介護に見合って上がるのであって、ほかの目的では上げません。直接税減税は、今、どばっと10兆円ぐらいやる。我々は、ほんとうはこれ以上やりたい。でも、その財源は増税ではありません。