日本財団 図書館


外部不経済

ある消費者や生産者の経済活動が、他の消費者や生産者に何らかの影響を与えることを外部性といい、それが不利な影響である場合を外部不経済という。さらに外部不経済は、市場を通じない金銭的外部不経済と市場を通じない技術的外部不経済とに分けられる。この外部性が存在する場合市場は失敗するため、これを内部化することが望ましい。自動車からの排出ガスは技術的外部不経済の典型例と言え、利用は過剰となっている。この内部化のためにはドライバーに外部不経済に相当する金額を賦課し、社会的費用を負担させることが必要である。また、ピグー的な意味での炭素税は二酸化炭素排出に関する外部不経済の内部化の手段である。

 

社会的費用

ある経済活動を行う際、利用者によって負担されている費用を私的費用という。しかし、その活動に伴って技術的外部不経済が発生している場合には、私的費用に外部不経済相当の費用を足し合わせた社会的費用が、活動に関する真の費用となる。運輸部門においては、自動車利用の社会的費用が問題とされる。ドライバーが実際に負担している燃料費等の金銭的費用に加え、混雑費用、環境費用、事故費用といった市場を経由しない外部費用を金銭換算し、加算したものが自動車利用の社会的費用となる。但し、費用項目に関する明確な定義はない。社会的費用を市民の基本的権利を侵害しないための追加的投資額を含めたものとして捉えた推計例もある。

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION